c3.gif c1.gif c4.gif
   それぞれに草の匂ひや草いきれ 森戸しゆじ
   すつぽりと顔を覆ひて草むしり
 
     咲き変る化粧直して花木槿 木村宏一
     晩夏光街見下ろして八合目
   秋立つや吹く風軽き尾根を行く
 
    片翳やおしやべりの列一列に 駒田暉風
    秋暑し草木は萎れ老いの身も
 
    白粥の喉にするりと今朝の秋 石崎そうびん
     空海の修行の岩屋浜万年青
   教練の真似ごとせし日草いきれ
 
    あななすの水滴黄色を輝かす 石川順一
    流れ星願ひを声に出して見る
 赤のまま何時の間にやら野に来たる
 
    木漏日の甘きみちのく韮の花 橋本幹夫
    山車曲り小兵打つ飛ぶ大手町
      典子忌の白き願の糸に雨
 
     比良仰ぐ生水の郷や稲の秋 池下よし子
    遅れ来て手もとせはしき秋扇
   珈琲はブラックが好き赤とんぼ
▼次へ
▼次へ
    くつきりと連峰望む今朝の秋 山口美琴
    控へめに茗荷の花の白さかな
   プラレール児の世界なる夏座敷
 
    葉陰にも風に乗せられ糸蜻蛉 志村万香
   山間になぞる大文字なりしかな
 
    走り来よ苧殻は長き足なれば 清水恵山
     球児去り甲子園早や新涼に
   わだつみの声不知火の向ふから
 
    丘を越え祭り音頭の流れくる 筒井省司
      露草や束の間の藍輝かせ
  コンビニにコーヒー香る今朝の秋
 
      噴く汗や胸板厚き甲板長 田村公平
   新牛蒡掻き揚げの香を独り占め
   草いきれ抜けて広がる九十九里
 
      唐黍をもぐ百姓の力こぶ 渡邉春生
 すすき野の富士なだらかに海の入る
    棚経の僧そそくさと帰りけり
 
  若者の街のファッション秋に入る 後藤允孝
      朝顔の雨に冴えたる濃紫
     一滴の滴りやがて大河なる
▲前へ
▲前へ
▼次へ
▼次へ
    立秋や季節追ひ越すけふの雨 瀬尾睦夫
     一駅を濡れて走るや大夕立
   秋蝉のけふが別れか鳴きをさむ
 
     文月も一筆箋にこと足りて 白根鈴音
     健啖の手本となりて生身魂
      道中に何を祝うや水引草
 
・・・・・・・ 選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・
 
  淋しげに逢魔ヶ時の秋の蝉
 七夕竹撓む願ぎこと増え続け
 寝落ちたる三十六峰星飛べり
 
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/未草
宏一撮影/蜘蛛と蝉
2014009003.jpg 2014009004.jpg
宏一撮影/雫
宏一撮影/吊灯篭
2014009005.jpg 2014009002.jpg
これら写真は、出句函のものを複写しました。
写真をクリックすると拡大します。
se-005.gif
▲前へ
▲前へ
se-007.gif
先頭へ
先頭へ
「月刊清月」では、相対評価は行い
佳句作者順に登載しています。
清月俳句会 平成26年8月の出句から 清月句会主宰 野田ゆたか /草いきれの俳句 それぞれに草の匂ひや草いきれ 森戸しゆじ/草むしりの俳句 すつぽりと顔を覆ひて草むしり/木槿の花の俳句 咲き変る化粧直して花木槿 木村宏一/晩夏光の俳句 晩夏光街見下ろして八合目/秋立つの俳句 秋立つや吹く風軽き尾根を行く/片陰の俳句 片翳やおしゃべりの列一列に 駒田暉風/秋暑しの俳句 秋暑し草木は萎れ老いの身も/今朝の秋の俳句 白粥の喉にするりと今朝の秋 石崎そうびん/浜万年青の俳句 空海の修行の岩屋浜万年青/草いきれの俳句 教練の真似ごとせし日草いきれ/あななすの俳句 あななすの水滴黄色を輝かす 石川順一/流星の俳句 流れ星願ひを声に出して見る/赤のまんまの俳句 赤のまま何時の間にやら野に来たる/韮の花の俳句 木漏日の甘きみちのく韮の花 橋本幹夫/山車の俳句 山車曲り小兵打つ飛ぶ大手町/願いの糸の俳句 典子忌の白き願の糸に雨/糸蜻蛉の俳句 葉陰にも風に乗せられ糸蜻蛉 志村万香/大文字の俳句 山間になぞる大文字なりしかな/稲の秋の俳句 比良仰ぐ生水の郷や稲の秋 池下よし子/秋扇の俳句 遅れ来て手もとせはしき秋扇/赤とんぼの俳句 珈琲はブラックが好き赤とんぼ/今朝の秋の俳句 くつきりと連峰望む今朝の秋 山口美琴/茗荷の花の俳句 控へめに茗荷の花の白さかな/夏座敷の俳句 プラレール児の世界なる夏座敷/苧殻の俳句 走り来よ苧殻は長き足なれば 清水恵山/新涼の俳句 球児去り甲子園早や新涼に/不知火の俳句 わだつみの声不知火の向ふから/祭の俳句 丘を越え祭り音頭の流れくる 筒井省司/露草の俳句 露草や束の間の藍輝かせ/今朝の秋の俳句 コンビニにコーヒー香る今朝の秋/汗の俳句 噴く汗や胸板厚き甲板長 田村公平/新牛蒡の俳句 新牛蒡掻き揚げの香を独り占め/草いきれの俳句 草いきれ抜けて広がる九十九里/唐黍の俳句 唐黍をもぐ百姓の力こぶ 渡邉春生/芒の俳句 すすき野の富士なだらかに海の入る/棚経の俳句 棚経の僧そそくさと帰りけり/秋に入るの俳句 若者の街のファッション秋に入る 後藤允孝/朝顔の俳句 朝顔の雨に冴えたる濃紫/滴りの俳句 一滴の滴りやがて大河なる/立秋の俳句 立秋や季節追ひ越すけふの雨 瀬尾睦夫/夕立の俳句 一駅を濡れて走るや大夕立/秋蝉の俳句 秋蝉のけふが別れか鳴きをさむ/文月の俳句 文月も一筆箋にこと足りて 白根鈴音/生身魂の俳句 健啖の手本となりて生身魂/水引草の俳句 道中に何を祝うや水引草/秋の蝉の俳句 淋しげに逢魔ヶ時の秋の蝉 野田ゆたか/七夕の俳句 七夕竹撓む願ぎこと増え続け/星飛ぶの俳句 寝落ちたる三十六峰星飛べり