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    早苗伸び田の隅にまで風の波 森戸しゆじ
    風の中吊りし風鈴の響き合ふ
 
      大川に手締いくども船祭 木村宏一
    梅雨明や軽くなりたる朝の風
     山の駅乗り込む蝉の合唱団
 
     花楓疲れた足をしばし停め 駒田暉風
      重昂の墓は舎利塔木下闇
   梅雨空へ鼻を突き出し象は老ゆ
 
     遠き日の勤労奉仕草いきれ 石崎そうびん
     老鶯や伊賀と甲賀は谷伝ひ
    片陰の尽きて古町途切れけり
 
    木登りの蟻に大きな葉が迫る 石川順一
     青田道中学生らが風となる
   背の高き向日葵交番見えて来る
 
       海の日や満艦飾の大湊 橋本幹夫
     ささくれし指を潤す苔清水
    争乱は何時も何処かで雲の峰
 
      百日紅一樹明るき診療所 池下よし子
    捩花の凛と右巻きひだりまき
     青鯖の塩たつぷりと船場汁
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     仙人掌や鎌首のばし一夜花 山口美琴
      片陰を選んで歩む猫の道
 真ッ二つメロンの香るティータイム
 
     夏薔薇雨深まれば色冴えて 志村万香
    炎帝に心急かるる六十路かな
 
      水貝の一つ一つに磯香る 清水恵山
    花茣蓙の疲れを癒す香りかな
   乾杯はビールの泡の消えぬまに
 
     夏草を刈られ鎮座の道祖神 筒井省司
      初蝉や杜の階段登り来て
    ぬつと出す妻の委中に土用灸
 
      夏草へ反省会の腰下ろす 田村公平
      合宿のラジヲ体操明易し
    十薬を引いて無口の庭師かな
 
     夏帽子かぶり働き盛りかな 渡邉春生
      山鉾や夜風に物売りの声
    青田波道者の声のはつらつと
 
    夏雲の沖で湧き立ちゆく高さ 後藤允孝
  ブラインド一気に降ろし西日断つ
    潮焼に背中がもえて眠れぬ夜
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宏一撮影/滝
     高原の早立ちの宿夏炉焚く 山縣伸義
    坪庭に押し合ひながら百日草
    かたことと路面電車の音晩夏
 
   掛軸の模様替へして梅雨明くる 瀬尾睦夫
     能面を外して汗の太郎冠者
     冷酒に亭主自慢の切子かな
   
    今日の日の誰にも負けぬ兜虫 
橋本幹史
 
   憂きこともさらりと流し髪洗ふ 白根鈴音
  やはらかき風が撫でゆく釣しのぶ
     純白の白きを纏ひ沙羅の花
 
・・・・・・・ 選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・
 
  ヒーローの言葉涼しきお立台
    闘ひの姿勢漲る兜虫
  夕立に囚はれしごと軒に佇つ
 
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
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宏一撮影/鉾
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宏一撮影/風鈴寺
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これら写真は、出句函の
ものを複写しました
写真をクリック
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「月刊清月」では、相対評価は行い
佳句作者順に登載しています。
清月俳句会 平成26年6月の出句から 清月句会主宰 野田ゆたか /早苗の俳句 早苗伸び田の隅にまで風の波 森戸しゆじの俳句/風鈴の俳句 風の中吊りし風鈴の響き合ふ 森戸しゆじの俳句/舟祭の俳句 大川に手締いくども船祭 木村宏一の俳句/梅雨明けの俳句 梅雨明や軽くなりたる朝の風 木村宏一の俳句/蝉の俳句 山の駅乗り込む蝉の合唱団 木村宏一の俳句/花楓の俳句 花楓疲れた足をしばし停め 駒田暉風の俳句/木下闇の俳句 重昂の墓は舎利塔木下闇 駒田暉風の俳句/梅雨空の俳句 梅雨空へ鼻を突き出し象は老ゆ 駒田暉風の俳句/草いきれの俳句 遠き日の勤労奉仕草いきれ 石崎そうびんの俳句/老鴬の俳句 老鶯や伊賀と甲賀は谷伝ひ 石崎そうびんの俳句/片陰の俳句 片陰の尽きて古町途切れけり 石崎そうびんの俳句/蟻の俳句 木登りの蟻に大きな葉が迫る 石川順一の俳句/青田道の俳句 青田道中学生らが風となる 石川順一の俳句/向日葵の俳句 背の高き向日葵交番見えて来る 石川順一の俳句/海の日の俳句 海の日や満艦飾の大湊 橋本幹夫さの俳句/苔清水の俳句 さくれし指を潤す苔清水 橋本幹夫の俳句/雲の峰の俳句 争乱は何時も何処かで雲の峰 橋本幹夫の俳句/夏薔薇の俳句 夏薔薇雨深まれば色冴えて 志村万香の俳句/炎帝の俳句 炎帝に心急かるる六十路かな 志村万香の俳句/さるすべりの俳句 百日紅一樹明るき診療所 池下よし子の俳句/捩花の俳句 捩花の凛と右巻きひだりまき 池下よし子の俳句/鯖の俳句 青鯖の塩たつぷりと船場汁 池下よし子の俳句/の俳句 仙人掌や鎌首のばし一夜花 山口美琴の俳句/の俳句 片陰を選んで歩む猫の道 山口美琴の俳句/の俳句 真ッ二つメロンの香るティータイム 山口美琴の俳句/水貝の俳句 水貝の一つ一つに磯香る 清水恵山の俳句/花茣蓙の俳句 花茣蓙の疲れを癒す香りかな 清水恵山の俳句/麦酒の俳句 乾杯はビールの泡の消えぬまに 清水恵山の俳句/夏草の俳句 夏草を刈られ鎮座の道祖神 筒井省司の俳句/初蝉の俳句 初蝉や杜の階段登り来て 筒井省司の俳句/土用灸の俳句 ぬつと出す妻の委中に土用灸 筒井省司の俳句/夏草の俳句 夏草へ反省会の腰下ろす 田村公平の俳句/明易しの俳句 合宿のラジヲ体操明易し 田村公平の俳句/十薬の俳句 十薬を引いて無口の庭師かな 田村公平の俳句/夏帽子の俳句 夏帽子かぶり働き盛りかな 渡邉春生の俳句/山鉾の俳句 山鉾や夜風に物売りの声 渡邉春生の俳句/青田の俳句 青田波道者の声のはつらつと 渡邉春生の俳句/夏雲の俳句 夏雲の沖で湧き立ちゆく高さ 後藤允孝の俳句/西日の俳句 ブラインド一気に降ろし西日断つ 後藤允孝の俳句/潮焼けの俳句 潮焼に背中がもえて眠れぬ夜 後藤允孝の俳句/夏炉の俳句 高原の早立ちの宿夏炉焚く 山縣伸義の俳句/百日紅の俳句 坪庭に押し合ひながら百日草 山縣伸義の俳句/晩夏の俳句 かたことと路面電車の音晩夏 山縣伸義の俳句/梅雨明けの俳句 掛軸の模様替へして梅雨明くる 瀬尾睦夫の俳句/汗の俳句 能面を外して汗の太郎冠者 瀬尾睦夫の俳句/冷酒の俳句 冷酒に亭主自慢の切子かな 瀬尾睦夫の俳句/兜虫の俳句 今日の日の誰にも負けぬ兜虫 橋本幹史の俳句/髪洗うの俳句 憂きこともさらりと流し髪洗ふ 白根鈴音の俳句/釣荵の俳句 やはらかき風が撫でゆく釣しのぶ 白根鈴音の俳句/沙羅の花の俳句 純白の白きを纏ひ沙羅の花 白根鈴音の俳句/涼しの俳句 ヒーローの言葉涼しきお立台 野田ゆたかの俳句/兜虫の俳句 闘ひの姿勢漲る兜虫 野田ゆたかの俳句/夕立の俳句 夕立に囚はれしごと軒に佇つ 野田ゆたか