谺する川中島の威銃 清水恵山
酢造りの匂ふ土蔵のなまこ壁
樹に登り枝引き寄せて櫨ちぎる
水澄みて映す柳や高瀬川 池下よし子
運動会風に火薬のにほひかな
地下出でて釣瓶落しの交差点
新調の幟はためく走り蕎麦 田村公平
回し注ぐ玉露の滴暮の秋
自分似を探す羅漢や秋の暮
ほつれたる光悦寺垣萩の風 石崎そうびん
過りゆくゴンドラの影蕎麦の花
秋天やピエロ軽々宙返り
大切に研いで光れる今年米 橋本幹夫
林檎もぐクラスメートの片笑窪
天窓に二十三夜の名残月
草じらみ島より出でんと飛びつけり 渡邉春生
秋灯に漏れくる笑ひ巫女溜
紅葉且つ散る大仏の空晴れて
秋雨や苔青々と秋篠寺 後藤允孝
身に入むや歴史を語る転害門
小鳥来て囁きの道騒がしき
また一つ年を重ねて菊の秋 瀬尾睦夫
逆光に銀波華やぐ夕芒
街路樹の手入れ忙しき冬隣
リアルさに一声かける案山子路 木村宏一
金柑を含んで小言止まりけり
山の辺の秋をならべて無人店
コスモスに負けぬ背伸びやピースの子 山口美琴
銀杏黄葉ジャングルジムに降りそそぐ
母なる木風に託して木の実降る
一畝の菜虫を捕りて空仰ぐ 筒井省司
立札を覆ひ隠して泡立草
香り消え木犀丸く刈られをり
夜が明けて十日の菊となりにけり 駒田暉風
菊花展名札の文字も達筆に
見舞客ともに見てゐる秋の暮 森戸しゆじ
秋の山だんだん近付く目的地 石川順一
宏一撮影/秋の空
宏一撮影/案山子
・・・・・・・ 選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・
荒び来し風のなすまま破芭蕉
鳥渡る越路の空の晴れわたる
田仕舞の煙たなびく秋の暮
宏一撮影/団栗
宏一撮影/檀の実
これら写真は、出句函のものを複写しました。
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清月俳句会 平成27年10月の清月句会出句から/威銃の俳句 谺する川中島の威銃 清水恵山/酢造るの俳句 酢造りの匂ふ土蔵のなまこ壁/櫨採るの俳句 樹に登り枝引き寄せて櫨ちぎる/水澄むの俳句 水澄みて映す柳や高瀬川 池下よし子/運動会の俳句 運動会風に火薬のにほひかな/釣瓶落しの俳句 地下出でて釣瓶落しの交差点/走り蕎麦の俳句 新調の幟はためく走り蕎麦 田村公平/暮の秋の俳句 回し注ぐ玉露の滴暮の秋/秋の暮の俳句 自分似を探す羅漢や秋の暮/萩の俳句 ほつれたる光悦寺垣萩の風 石崎そうびん/蕎麦の花の俳句 過りゆくゴンドラの影蕎麦の花/秋天の俳句 秋天やピエロ軽々宙返り/の俳句 大切に研いで光れる今年米 橋本幹夫/の俳句 林檎もぐクラスメートの片笑窪/の俳句 天窓に二十三夜の名残月/草虱の俳句 草じらみ島より出でんと飛びつけり 渡邉春生/秋灯の俳句 秋灯に漏れくる笑ひ巫女溜/秋晴れの俳句 紅葉且つ散る大仏の空晴れて/秋雨の俳句 秋雨や苔青々と秋篠寺 後藤允孝/身に入むの俳句 身に入むや歴史を語る転害門/小鳥来るの俳句 小鳥来て囁きの道騒がしき/菊の秋の俳句 また一つ年を重ねて菊の秋 瀬尾睦夫/芒の俳句 逆光に銀波華やぐ夕芒/冬隣の俳句 街路樹の手入れ忙しき冬隣/案山子の俳句 リアルさに一声かける案山子路 木村宏一/金柑の俳句 金柑を含んで小言止まりけり/秋の俳句 山の辺の秋をならべて無人店/コスモスの俳句 コスモスに負けぬ背伸びやピースの子 山口美琴/銀杏黄葉の俳句 銀杏黄葉ジャングルジムに降りそそぐ/木の実降るの俳句 母なる木風に託して木の実降る/菜虫の俳句 一畝の菜虫を捕りて空仰ぐ 筒井省司/泡立草の俳句 立札を覆ひ隠して泡立草/木犀の俳句 香り消え木犀丸く刈られをり/十日の菊の俳句 夜が明けて十日の菊となりにけり 駒田暉風/菊花展の俳句 菊花展名札の文字も達筆に/秋の暮の俳句 見舞客ともに見てゐる秋の暮 森戸しゆじ/秋の山の俳句 秋の山だんだん近付く目的地 石川順一/破れ芭蕉の俳句 荒び来し風のなすまま破芭蕉 野田ゆたか/鳥渡るの俳句 鳥渡る越路の空の晴れわたる 野田ゆたか/田仕舞いの俳句 田仕舞の煙たなびく秋の暮