春の川渡る浅瀬の石伝ひ 森戸しゆじ
卒業やよどまず校歌うたひ切る
をりからの春の大雨渓荒し
春蘭や声掛合ひて丸木橋 木村宏一
春の闇瀬音たよりの峡の道
啓蟄や思ひはいまだ胸のうち
遠浅に腰まで浸かり浅蜊掻く 駒田暉風
どれもこれも明るき絵柄種袋 石崎そうびん
春寒し血の池泳ぐ亡者の絵
県境の村の廃れて雪解川
早蕨の天麩羅混じる夕餉かな 石川順一
風車赤紫が回り出す
なずな咲く田の畔風が吹き渡る
北窓を開けて紫煙を野に放つ 橋本幹夫
北限の猿の憩へる春田かな
飯蛸の原形留め島の膳
鯉群れて黄金しろがねみな朧 池下よし子
啓蟄や亀動かざる心字池
うるうると春満月のいま天心
陶器雛それぞれ旅の想ひあり 山口美琴
忘られし梅の木二本人を恋ふ
畳拭く総仕上げなる大掃除
紅椿一花寂しく落ちにけり 志村万香
たつぷりと水を注ぎて苗木植う 清水恵山
幾たびも列車止めたる比良八荒
小さな掌に四葉のクローバ見せに来る
そこかしこ沈丁香る住宅地 筒井省司
クロッカス妻に花名を教はりぬ
合格に照れたる笑みの孫来る
復唱の操舵号令風光る 田村公平
啓蟄のグランド均す野球の子
嬰児の伝い歩きに春の風
躑躅燃ゆ開拓村の無縁墓 渡邉春生
燕来る砲門今も海を向き
風光る九十歳の畑仕事
引く波の渚に拾ふさくら貝 後藤允孝
父のごとときには怒る春の海
暖かや恋路が浜の椰子の歌碑
どなたから供養の花や入彼岸 瀬尾睦夫
逞しく回る水車や春の水
また一つ歳を増やして雛納む
・・・・・・・ 選者詠 野田ゆたか
・・・・・・・
子の代に御座譲られし雛かな
船波の寄すたび水漬き芦の角
判じものめけるの字の蜷の道
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/梅一輪
宏一撮影/水仙
宏一撮影/雪柳
これら写真は、出句函のものを複写しました。
写真をクリックすると拡大します。
「月刊清月」では、相対評価は行い
佳句作者順に登載しています。
平成27年3月インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。平成27年3月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。。春の川の俳句 春の川渡る浅瀬の石伝ひ 森戸しゆじ。卒業の俳句 卒業やよどまず校歌うたひ切る 森戸しゆじ。春の大雨の俳句 をりからの春の大雨渓荒し 森戸しゆじ。春蘭の俳句 春蘭や声掛合ひて丸木橋 木村宏一。春の闇の俳句 春の闇瀬音たよりの峡の道 木村宏一。啓蟄の俳句 啓蟄や思ひはいまだ胸のうち 木村宏一。浅蜊の俳句 遠浅に腰まで浸かり浅蜊掻く 駒田暉風。種袋の俳句 どれもこれも明るき絵柄種袋 石崎そうびん。春寒しの俳句 春寒し血の池泳ぐ亡者の絵 石崎そうびん。雪解川の俳句 県境の村の廃れて雪解川 石崎そうびん。早蕨の俳句 早蕨の天麩羅混じる夕餉かな 石川順一。風車の俳句 風車赤紫が回り出す 石川順一。はずな咲くの俳句 なずな咲く田の畔風が吹き渡る 石川順一。北窓を開けるの俳句 北窓を開けて紫煙を野に放つ 橋本幹夫。春田の俳句 北限の猿の憩へる春田かな 橋本幹夫。飯蛸の俳句 飯蛸の原形留め島の膳 橋本幹夫。朧の俳句 鯉群れて黄金しろがねみな朧 池下よし子。啓蟄の俳句 啓蟄や亀動かざる心字池 池下よし子。春満月の俳句 うるうると春満月のいま天心 池下よし子。陶器雛の俳句 陶器雛それぞれ旅の想ひあり 山口美琴。梅の俳句 忘られし梅の木二本人を恋ふ 山口美琴。大掃除の俳句 畳拭く総仕上げなる大掃除 山口美琴。紅椿の俳句 紅椿一花寂しく落ちにけり 志村万香。苗木植うの俳句 たつぷりと水を注ぎて苗木植う 清水恵山。比良八荒の俳句 幾たびも列車止めたる比良八荒 清水恵山。クローバーの俳句 小さな掌に四葉のクローバ見せに来る 清水恵山。沈丁花の俳句 そこかしこ沈丁香る住宅地 筒井省司。クロッカスの俳句 クロッカス妻に花名を教はりぬ 筒井省司。合格の俳句 合格に照れたる笑みの孫来る 筒井省司。風光るの俳句 復唱の操舵号令風光る 田村公平。啓蟄の俳句 啓蟄のグランド均す野球の子 田村公平。春の風の俳句 嬰児の伝い歩きに春の風 田村公平。躑躅の俳句 躑躅燃ゆ開拓村の無縁墓 渡邉春生。燕来るの俳句 燕来る砲門今も海を向き 渡邉春生。風光るの俳句 風光る九十歳の畑仕事 渡邉春生。桜貝の俳句 引く波の渚に拾ふさくら貝 後藤允孝。春の海の俳句 父のごとときには怒る春の海 後藤允孝。暖かの俳句 暖かや恋路が浜の椰子の歌碑 後藤允孝。入彼岸の俳句 どなたから供養の花や入彼岸 瀬尾睦夫。春の水の俳句 逞しく回る水車や春の水 瀬尾睦夫。雛納めの俳句 また一つ歳を増やして雛納む 瀬尾睦夫・・・・・・・ 選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・。雛の俳句 子の代に御座譲られし雛かな 野田ゆたか。芦の角の俳句 船波の寄すたび水漬き芦の角 野田ゆたか。になの俳句 判じものめけるの字の蜷の道 野田ゆたか。