眉毛似の孫は今日から一年生 森戸しゆじ
散る花の条を描きて風に舞ふ
やうやくに五分粥となる花の朝
親善の強き絆や花水木 木村宏一
かにかくにさくらさくらの祇園かな
刈跡も活気溢れて萩若葉
岸により名残惜しんで花筏 駒田暉風
村のどか鍵かける家今もなし 石崎そうびん
鐘突きて淡海の春を惜みけり
一夜城一気に花の散りつくす
花韮が鉢にも地にも咲き始め 石川順一
葱坊主闇でも白を主張する
外に出てこんな所に芝桜
銀色の雨や山桜桃の花真白 橋本幹夫
春風に絡む八番ホールかな
舌の根の乾く間もなき万愚節
子のくれし白詰草のブーケかな 池下よし子
満開の花のまばゆき母校かな
残花なほ龍野の旅路汀子句碑
石楠花や幾何学模様なる蕾 山口美琴
単線の車窓も楽し山桜
燕の巣今年も我が家忘れずに
天空にぐいと伸びたる松の芯 足立山渓
仏間にも牡丹の風を入れにけり
軽暖や磴千段の鳳来寺
空の色より濃く映る春の海 志村万香
春隣猫が水飲む音の在り
石鹸玉儚く消えて老い深む
古民家の裏のあちこち桑の花 清水恵山
アルプスの湧水の音山葵田に
巣燕の数確かめて今日終る
窓際で熱きコーヒー花の冷 筒井省司
空青く桜蘂降る露天風呂
照れくさし優先席の春の宵
夕日へと舵切る船や花霞 田村公平
春惜む昭和に消えし漁船団
老犬もぼそり顔出す花筵
耕の富士に向かひて畝を盛る 渡邉春生
陽炎に揺れてローカル電車行く
春風やテニスボールのよく跳ねて
散つてなお水面彩る花筏 後藤允孝
天空の城遠ざけて霞かな
春陰やうねりの高き熊野灘
名勝を墨絵ぼかしに朝霞 山縣伸義
寄居虫に潮の満ち引きてふ暮し
麗かや能登に謂れの黒瓦
寄り添ひて今を盛りと黄水仙 瀬尾睦夫
参道に葉桜の陰濃かりけり
野の風に遊ぶや螺髪の土筆仏 白根鈴音
柔らかき女の耳たぶ桜貝
陽だまりに猫の欠伸や夏近し
・・・・・・・
選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・
口ずさむ野崎小唄や菜の花黄
佐保川の荒き夜風に散る桜
そぞろ歩の疏水にかかる月朧
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/芽柳
宏一撮影/花水木
これら写真は、出句函の
ものを複写しました。
写真をクリック
すると拡大します。
「月刊清月」では、相対評価は行い
佳句作者順に登載しています。
平成二六年四月の清月句会の選者披講・一年生の俳句 眉毛似の孫は今日から一年生/森戸しゆじ・散る花の俳句 散る花の条を描きて風に舞ふ/森戸しゆじ・花の俳句 やうやくに五分粥となる花の朝/森戸しゆじ・花水木の俳句 親善の強き絆や花水木/木村宏一・さくらの俳句 かにかくにさくらさくらの祇園かな/木村宏一・萩若葉の俳句 刈跡も活気溢れて萩若葉/木村宏一・花筏の俳句 岸により名残惜しんで花筏/駒田暉風・長閑の俳句 村のどか鍵かける家今もなし/石崎そうびん・春惜むの俳句 鐘突きて淡海の春を惜みけり/石崎そうびん・花散るの俳句 一夜城一気に花の散りつくす/石崎そうびん・韮の花の俳句 花韮が鉢にも地にも咲き始め/石川順一・葱坊主の俳句 葱坊主闇でも白を主張する/石川順一・山桜桃の花のの俳句 銀色の雨や山桜桃の花真白/橋本幹夫・春風の俳句 春風に絡む八番ホールかな/橋本幹夫・万遇節の俳句 舌の根の乾く間もなき万愚節/橋本幹夫・春の海の俳句 空の色より濃く映る春の海/志村万香・春隣の俳句 春隣猫が水飲む音の在り/志村万香・しゃぼんだまの俳句 石鹸玉儚く消えて老い深む/志村万香・松の芯の俳句 天空にぐいと伸びたる松の芯/足立山渓・牡丹の俳句 仏間にも牡丹の風を入れにけり/足立山渓・軽暖の俳句 軽暖や磴千段の鳳来寺/足立山渓・白詰草の俳句 子のくれし白詰草のブーケかな/池下よし子・花の俳句 満開の花のまばゆき母校かな/池下よし子・残花の俳句 残花なほ龍野の旅路汀子句碑/池下よし子・石楠花の俳句 石楠花や幾何学模様なる蕾/山口美琴・山桜の俳句 単線の車窓も楽し山桜/山口美琴・燕の巣の俳句 燕の巣今年も我が家忘れずに/山口美琴・桑の花の俳句 古民家の裏のあちこち桑の花/清水恵山・山葵田の俳句 アルプスの湧水の音山葵田に/清水恵山・燕の巣の俳句 巣燕の数確かめて今日終る/清水恵山・花冷えの俳句 窓際で熱きコーヒー花の冷/筒井省司・桜蘂降るの俳句 空青く桜蘂降る露天風呂/筒井省司・春の宵の俳句 照れくさし優先席の春の宵/筒井省司・花霞の俳句 夕日へと舵切る船や花霞/田村公平・春惜しむの俳句 春惜む昭和に消えし漁船団/田村公平・花莚の俳句 老犬もぼそり顔出す花筵/田村公平・春耕の俳句 春耕の富士に向かひて畝を盛る/渡邉春生・陽炎の俳句 陽炎に揺れてローカル電車行く/渡邉春生・春風の俳句 春風やテニスボールのよく跳ねて/渡邉春生・花筏の俳句 散つてなお水面彩る花筏/後藤允孝・春霞の俳句 天空の城遠ざけて春霞/後藤允孝・春陰の俳句 春陰やうねりの高き熊野灘/後藤允孝・朝霞の俳句 名勝を墨絵ぼかしや朝霞/山縣伸義・寄居虫の俳句 寄居虫に潮の満ち引きてふ暮し/山縣伸義・麗かの俳句 麗かや能登に謂れの黒瓦/山縣伸義・黄水仙の俳句 寄り添ひて今を盛りと黄水仙/瀬尾睦夫・葉桜の俳句 参道に葉桜の陰濃かりけり/瀬尾睦夫・土筆の俳句 野の風に遊ぶや螺髪の土筆仏/白根鈴音・桜貝の俳句 柔らかき女の耳たぶ桜貝/白根鈴音・夏近しの俳句 陽だまりに猫の欠伸や夏近し/白根鈴音・菜の花の俳句 口ずさむ野崎小唄や菜の花黄・桜貝の俳句 柔らかき女の耳たぶ桜貝/白根鈴音・夏近しの俳句 陽だまりに猫の欠伸や夏近し/白根鈴音/野田ゆたか・散る桜の俳句 佐保川の荒き夜風に散る桜/野田ゆたか・朧月の俳句 そぞろ歩の疏水に沿へる月朧/野田ゆたか