かき分けて風通りけり稲の丈 森戸しゆじ
颱風の過ぎし小池の亀の息
軒下に出番待ちたる秋の風
アルプホルン響く高原秋の色 木村宏一
虚しさに泥靴蹴上げ草の露
鉢植えの竜胆届く文添へて
手づくりの味噌の匂ひの蔵の秋 湯沢正枝
枝豆の香りは郷の香りかな
疲れたる色を隠して秋日傘
蔓草を微かに揺らす秋の風 駒田暉風
漢方の力を借りて九月かな
露草を泪の色と思ひけり 石崎そうびん
覗き込む顔映りけり秋の水
捨て置きの大八車昼の虫
林檎食べ独り仮眠につきにけり 石川順一
旅支度済ませて安堵小望月 橋本幹夫
おとがひに髭剃り残し敬老会
洋上に秋分の日の旭日旗
近江路や湖までつづく豊の秋 池下よし子
花芙蓉あれやこれやと一日暮れ
白鷺の思惟のポーズや水の秋
法師蝉けふの命を全うす 山口美琴
雨去りて演奏再開秋の虫
二日月無いものねだる幼かな
きはやかに落暉に映ゆる七竃 足立山渓
雄叫びて赤白帽の運動会
分校の松茸飯や父母の会
朝霧の消え入る前に決断す 志村万香
曼珠沙華襟足上げて髪を結ひ
夕べには姿小粋な乱れ萩
立待や黄色き月が梢から 清水恵山
三日月の千切れるやうに雲に消ゆ
八朔の屋台囃子に浮かれけり
孫からの絵手紙届く敬老日 筒井省司
秋雲の流れる先を眼で追いぬ
一斉に雀飛び立つ稲田かな
笠着けど深き眼差し風の盆 堤
千鶴子
宏一撮影/アルプホルン
早鞆の連れ潮を待つ良夜かな 田村公平
天の川この世に似たる星いくつ
寄り添ふてやがて別れし秋の蝶
台秤昔も今も桃を売る 渡邉春生
電車バス乗り継ぎ来たり赤のまま
鰯雲話弾んで来たりけり
鬱蒼と藪騒がしき竹の春 後藤允孝
草の花生けて一輪無人駅
道道に気儘に伸びて猫じやらし
曼珠沙華棚田を仕切る色として 山縣伸義
葛咲くや明日香へ通ず峠道
また一つ街の灯消えて寝待月
・・・・・・・
選者詠 野田ゆたか ・・・・・・・
暮れてより虫の浄土となる庵
蓑虫にありし好みの糸の丈
問診に主治医の敬語露けしや
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/曼珠沙華
宏一撮影/待宵の月
「月刊清月」では、相対評価は行い
佳句作者順に登載しています。
これら写真は、出句函の
ものを複写しました。
写真をクリックすると
拡大します。
9月19日開催結果
清月俳句会 平成25年9月中の投句から選句しました。/稲の俳句 かき分けて風通りけり稲の丈 森戸しゆじ/台風の俳句 颱風の過ぎし小池の亀の息 森戸しゆじ/秋風の俳句 軒下に出番待ちたる秋の風 森戸しゆじ/秋の色の俳句 アルプホルン響く高原秋の色 木村宏一/露の俳句 虚しさに泥靴蹴上げ草の露 木村宏一/りんどうの俳句 鉢植えの竜胆届く文添へて 木村宏一/秋の俳句 手づくりの味噌の匂ひの蔵の秋 湯沢正枝/枝豆の俳句 枝豆の香りは郷の香りかな 湯沢正枝/秋日傘の俳句 疲れたる色を隠して秋日傘 湯沢正枝/秋の風の俳句 蔓草を微かに揺らす秋の風 駒田暉風/九月の俳句 漢方の力を借りて九月かな 駒田暉風/露草の俳句 露草を泪の色と思ひけり 石崎そうびん/秋の水の俳句 覗き込む顔映りけり秋の水 石崎そうびん/昼の虫の俳句 捨て置きの大八車昼の虫 石崎そうびん/りんごの俳句 林檎食べ独り仮眠につきにけり 石川順一添削/小望月の俳句 旅支度済ませて安堵小望月 橋本幹夫/敬老会の俳句 おとがひに髭剃り残し敬老会 橋本幹夫/春分の日の俳句 洋上に秋分の日の旭日旗 橋本幹夫/朝霧の俳句 朝霧の消え入る前に決断す 志村万香/曼珠沙華の俳句 曼珠沙華襟足上げて髪を結ひ 志村万香/萩の俳句 夕べには姿小粋な乱れ萩 志村万香/豊の秋の俳句 近江路や湖までつづく豊の秋 池下よし子/芙蓉の俳句 花芙蓉あれやこれやと一日暮れ 池下よし子/秋の俳句 白鷺の思惟のポーズや水の秋 池下よし子/法師蝉の俳句 法師蝉けふの命を全うす 山口美琴/秋の虫の俳句 雨去りて演奏再開秋の虫 山口美琴/二日月の俳句 二日月無いものねだる幼かな 山口美琴/立待月の俳句 立待や黄色き月が梢から 清水恵山/三日月の俳句 三日月の千切れるやうに雲に消ゆ 清水恵山/八朔の俳句 八朔の屋台囃子に浮かれけり 清水恵山/敬老日の俳句 孫からの絵手紙届く敬老日 筒井省司/秋の雲の俳句 秋雲の流れる先を眼で追いぬ 筒井省司/稲田の俳句 一斉に雀飛び立つ稲田かな 筒井省司/風の盆の俳句 笠着けど深き眼差し風の盆 堤千鶴子/良夜の俳句 早鞆の連れ潮を待つ良夜かな 田村公平/天の川の俳句 天の川この世に似たる星いくつ 田村公平/秋の蝶の俳句 寄り添ふてやがて別れし秋の蝶 田村公平/桃の俳句 台秤昔も今も桃を売る 渡邉春生/赤のままの俳句 電車バス乗り継ぎ来たり赤のまま 渡邉春生/鰯雲の俳句 鰯雲話弾んで来たりけり 渡邉春生/竹の春の俳句 鬱蒼と藪騒がしき竹の春 後藤允孝/草花の俳句 草の花生けて一輪無人駅 後藤允孝/猫じゃらしの俳句 道道に気儘に伸びて猫じゃらし後藤允孝/曼珠沙華の俳句 曼珠沙華棚田を仕切る色として 山縣伸義/葛の俳句 葛咲くや明日香へ通ず峠道 山縣伸義/寝待月の俳句 また一つ街の灯消えて寝待月 山縣伸義/七竃の俳句 きはやかに落暉に映ゆる七竃 山渓/運動会の俳句 雄叫びて赤白帽の運動会 山渓/松茸の俳句 分校の松茸飯や父母の会 山渓/虫の俳句 暮れてより虫の浄土となる庵 野田ゆたか/みの虫の俳句 蓑虫にありし好みの糸の丈 野田ゆたか/露けしの俳句 問診に主治医の敬語露けしや 野田ゆたか