あぢさゐの森にとけ込む園児たち 森戸しうじ
箸休め瀬音聞かせて川床料理 木村宏一
節電に網戸張替へ風の道
訪ね来て庭に憶えの百日紅 駒田暉風
暮れなずむ夕陽を集め百日紅
短パンの太腿眩し雲の峰
水車古り水の洩れ落つ雪の下 酒井牧人
徳川家の墓地の広ろさや苔の花
夏痩せて苦学の辞書の手に重し
初浴衣まだ胸うすきお下げ髪 石崎そうびん
急流に身を躱しつつ登る鮎
水滴の葉を光らせて木下闇
パソコンの画面に向かふだけで汗 石川順一
蚊が死ねば風に動くがままの足
電灯の笠のへ蜘蛛が巣を張りぬ
紅一点麦藁帽の釣部員 橋本幹夫
みちのくに師団集結夏の月
仰向けに転ぶ六肢の兜虫
震災の語部ならむ夏の月 橋本典子
パラソルを畳みて渡す回覧板
風に乗る麦藁帽を追ひかけて
ひと漕ぎに幾千万の夜光虫 金城博之
合歓の花さやさや游ぐ夜も帳
たらたらと漏刻蛇口朝曇
千年の鍼医の町や夏椿 池下よし子
ビニールの覆ふ新聞梅雨ふかし
優勝のなでしこジャパン汗すがし
次々と花弁生れしダリアかな 山口美琴
日盛や追ひし児の手に団子虫
節電の休日出勤扇風機
甲斐駒や揺り椅子二つ避暑の宿 足立山渓
花火果て橋のたもとの込み合へり
荷の軽く雪渓わたる風の中
新茶にて利休の手前まねてみる 志村万香
薄衣を纏ふ三十路の風呂上り
事故のこと夢かのやうに夏アザミ
念仏の声よく透り青簾 清水恵山
早朝の墨の香涼し一筆箋
割箸の木曾杉の香や冷奴
晩酌のつまに一箸冷奴 筒井省司
朝採りの曲がり胡瓜を食卓に
夕顔や熱闘終えし野球場 山本正晴
打水や老舗菓子屋の決まりごと
石庭の一景なせる夕立かな 野田ゆたか
みずすまし己が水輪を抜けきれず
引返すこと許されず道をしへ
宏一撮影/川床(ゆか) 京都・貴船
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
この写真は、出句函のものを複写しました。
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平成23年7月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。紫陽花の俳句 あぢさゐの森にとけ込む園児たち 森戸しうじ。川床の俳句 箸休め瀬音聞かせて川床料理 木村宏一。網戸の俳句 節電に網戸張替へ風の道 木村宏一。百日紅の俳句 訪ね来て庭に憶えの百日紅 駒田暉風。百日紅の俳句 暮れなずむ夕陽を集め百日紅 駒田暉風。雲の峰の俳句 短パンの太腿眩し雲の峰 駒田暉風。雪の下の俳句 水車古り水の洩れ落つ雪の下 酒井牧人。苔の花の俳句 徳川家の墓地の広ろさや苔の花 酒井牧人。夏痩せの俳句 夏痩せて苦学の辞書の手に重し 酒井牧人。初浴衣の俳句 初浴衣まだ胸うすきお下げ髪 石崎そうびん。鮎の俳句 急流に身を躱しつつ登る鮎 石崎そうびん。木下闇の俳句 水滴の葉を光らせて木下闇 石崎そうびん。汗の俳句 パソコンの画面に向かふだけで汗 石川順一。蚊の俳句 蚊が死ねば風に動くがままの足 石川順一。蜘蛛の俳句 電灯の笠のへ蜘蛛が巣を張りぬ 石川順一。麦藁帽の俳句 紅一点麦藁帽の釣部員 橋本幹夫。夏の月の俳句 みちのくに師団集結夏の月 橋本幹夫。兜虫の俳句 仰向けに転ぶ六肢の兜虫 橋本幹夫。夏の月の俳句 震災の語部ならむ夏の月 橋本典子。パラソルの俳句 パラソルを畳みて渡す回覧板 橋本典子。麦藁帽の俳句 風に乗る麦藁帽を追ひかけて 橋本典子。夜光虫の俳句 ひと漕ぎに幾千万の夜光虫 金城博之。合歓の花の俳句 合歓の花さやさや游ぐ夜も帳 金城博之。朝曇の俳句 たらたらと漏刻蛇口朝曇 金城博之。夏椿の俳句 千年の鍼医の町や夏椿 池下よし子。梅雨深しの俳句 ビニールの覆ふ新聞梅雨ふかし 池下よし子。汗の俳句 優勝のなでしこジャパン汗すがし 池下よし子。ダリアの俳句 次々と花弁生れしダリアかな 山口美琴。日盛りの俳句 日盛や追ひし児の手に団子虫 山口美琴。扇風機の俳句 節電の休日出勤扇風機 山口美琴。避暑の俳句 甲斐駒や揺り椅子二つ避暑の宿 足立山渓。花火の俳句 花火果て橋のたもとの込み合へり 足立山渓。雪渓の俳句 荷の軽く雪渓わたる風の中 足立山渓。新茶の俳句 新茶にて利休の手前まねてみる 志村万香。薄衣の俳句 薄衣を纏ふ三十路の風呂上り 志村万香。夏薊の俳句 事故のこと夢かのやうに夏薊 志村万香。青すだれの俳句 念仏の声よく透り青簾 清水恵山。涼しの俳句 早朝の墨の香涼し一筆箋 清水恵山。冷奴の俳句 割箸の木曾杉の香や冷奴 清水恵山。冷奴の俳句 晩酌のつまに一箸冷奴 筒井省司。胡瓜の俳句 朝採りの曲がり胡瓜を食卓に 筒井省司。夕顔の俳句 夕顔や熱闘終えし野球場 山本正晴。打水の俳句 打水や老舗菓子屋の決まりごと 山本正晴。夕立の俳句 石庭の一景なせる夕立かな 野田ゆたか。鼓虫の俳句 みずすまし己が水輪を抜けきれず 野田ゆたか。道教えの俳句 引返すこと許されず道をしへ 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。