蟇水面揺らして響き合ふ 長嶺 勇
雨粒に当りででむし角隠す
桑の実に染まる両手を懐かしむ
大極殿かすめて降下夏雲雀 木村宏一
傘さして佳人たたずむ菖蒲池
夏霧を裾まで被り七面山 湯澤正枝
夏山へ童の声の透きとおる
花茨いつもの道を明るうす
側溝の音高まりて梅雨に入る 駒田暉風
昨日今日夕日は見えず梅雨に入る
あやめ咲く小さぎの冠羽紫に染めて 酒井牧人
父の日や靴磨く児の汚れ顔
はまなすや終着駅の先は海 石崎そうびん
井戸と塀残りし庭や桐の花
寄書きの向きはてんでにさくらんぼ
武家屋敷ならぶお堀の濃紫陽花 有馬やよこ
堀川の紫陽花咲けり松江城
擬宝珠の紫こぼす雨あがり
老鶯や今朝川風に凛と啼き 有馬たく
名水の池のひでりに立つ大師
薫風に千手伸べられ観世音
涼風の為の窓開け母諭す 石川順一
引き絞る弓万緑の中にあり 橋本幹夫
木耳の銀の雨音聴いてゐる
横道に逸れることあり蟻の道
届かざる岸に石投ぐ夏の川 橋本典子
鈴蘭の果ての岬に咲きゐたる
水滴を拭へば車窓に花菖蒲
老鶯や昼なほ昏き城の濠 高柳ゆうこ
夏つばめ掠めし水の乱れかな
草つつむ岸辺の石や桜桃忌
夜の雨もややおさまりて時鳥 北井古石
蛍火や堰をこぼるる水の音
日除上げライバル船へ目礼す 細身友来
半夏生悲恋伝へし小町塚
苔生して不動の滝の飛沫かな
緑蔭へ雑踏すつと吸込まれ 金城博之
梅雨近しクラリネットのリード削ぐ
どこからか響く水音菖蒲園 園田憲史
快き青葉の風や一の峯 野田ゆたか
万緑に埋もれ奥宮遙拝所
咬みさうな犬が貌出す葭簀かな
宏一撮影/平城京大極殿(復元中)
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/花菖蒲
これら写真は、出句函のものを複写しました。
写真をクリックすると拡大します。
平成21年6月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。蟇の俳句 蟇水面揺らして響き合ふ 長嶺 勇。でで虫の俳句 雨粒に当りででむし角隠す 長嶺 勇。桑の実の俳句 桑の実に染まる両手を懐かしむ 長嶺 勇。夏雲雀の俳句 大極殿かすめて降下夏雲雀 木村宏一。菖蒲池の俳句 傘さして佳人たたずむ菖蒲池 木村宏一 。夏霧の俳句 夏霧を裾まで被り七面山 湯澤正枝 。夏山の俳句 夏山へ童の声の透きとおる 湯澤正枝 。茨の花の俳句 花茨いつもの道を明るうす 湯澤正枝 。梅雨入の俳句 側溝の音高まりて梅雨に入る 駒田暉風。梅雨入の俳句 昨日今日夕日は見えず梅雨に入る 駒田暉風。菖蒲咲くの俳句 あやめ咲く小さぎの冠羽紫に染めて 酒井牧人。父の日の俳句 父の日や靴磨く児の汚れ顔 酒井牧人。はまなすの俳句 はまなすや終着駅の先は海 石崎そうびん。桐の花の俳句 井戸と塀残りし庭や桐の花 石崎僧びん。サクランボの俳句 寄書きの向きはてんでにさくらんぼ 石崎僧びん。紫陽花の俳句 武家屋敷ならぶお堀の濃紫陽花 有馬やよこ。紫陽花の俳句 堀川の紫陽花咲けり松江城 有馬やよこ。擬宝珠の花の俳句 擬宝珠の紫こぼす雨あがり 有馬やよこ。老鴬の俳句 老鶯や今朝川風に凛と啼き 有馬たく。旱の俳句 名水の池のひでりに立つ大師 有馬たく。薫風の俳句 薫風に千手伸べられ観世音 有馬たく。涼風の俳句 涼風の為の窓開け母諭す 石川順一。万緑の俳句 引き絞る弓万緑の中にあり 橋本幹夫。木耳の俳句 木耳の銀の雨音聴いてゐる 橋本幹夫。蟻の俳句 横道に逸れることあり蟻の道 橋本幹夫。夏の川の俳句 届かざる岸に石投ぐ夏の川 橋本典子。鈴蘭の俳句 鈴蘭の果ての岬に咲きゐたる 橋本典子。花菖蒲の俳句 水滴を拭へば車窓に花菖蒲 橋本典子。老鴬の俳句 老鶯や昼なほ昏き城の濠 高柳ゆうこ。夏燕の俳句 夏つばめ掠めし水の乱れかな 高柳ゆうこ。桜桃忌の俳句 草つつむ岸辺の石や桜桃忌 高柳ゆうこ。時鳥の俳句 夜の雨もややおさまりて時鳥 北井古石。蛍火の俳句 蛍火や堰をこぼるる水の音 北井古石。日除けの俳句 日除上げライバル船へ目礼す 細身友来 。半夏生の俳句 半夏生悲恋伝へし小町塚 細身友来 。滝の俳句 苔生して不動の滝の飛沫かな 細身友来 。緑蔭の俳句 緑陰へ雑踏すつと吸込まれ 金城博之。梅雨近しの俳句 梅雨近しクラリネットのリード削ぐ 金城博之。菖蒲園の俳句 どこからか響く水音菖蒲園 園田憲史。青葉の俳句 快き青葉の風や一の峯 野田ゆたか。万緑の俳句 万緑に埋もれ奥宮遙拝所。葭簀の俳句 咬みさうな犬が貌出す葭簀かな。Hp管理人 野田ゆたか。