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     一面の花野の中の花野かな 長嶺 勇
     吾もまた花だと思う吾亦紅
      山頂の撫子風に傾ぎけり
 
      故郷は稲の匂ひと水の音 木村宏一
    権現堂苔のにほひと蝉しぐれ
      蜩の終焉のなき鳴き比べ
 
    葦越に心地よき風ふみひらく 湯澤まさえ
    小鳥来る母屋の西の青いやね
  さるすべり紅をこぼして校歌の碑
 
     背を競ひ遠く近くに雲の峰 駒田暉風
     雷一閃遠きを念じ音を待つ
   白萩も紅萩もあり菓子舗かな緑
 
    きりぎりす草の汁染む鎌の柄 岩本和行
    夕顔のぶらりぶらりと風任せ
     芋の葉の珠に映りし月涼し
 
    山容は白画と更ける月夜かな 酒井牧人
  長き夜に風呂好き長湯ぞんぶんに
    星月夜継ぐ船旅に喜の字祝ぐ
 
     青芒繁るほど風生みにけり 石崎僧びん
  ジーパンの擦り切れし膝夏はじめ
        夏蝶や籠大仏の大庇
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     忌に捧ぐ母の好みし濃竜胆 有馬やよこ
   七夕竹子ら文字らしき絵を飾る
  ゑのころ草篭活けすれば野風来し
 
    送火や家祖の残せし伊予千句 有馬たく
   蜻蛉の目回さんとして近づきぬ
    船影の近づく波止や今朝の秋
 
     兄妹の母と語らふ盂蘭盆会 橋本幹夫
      夏草の墳丘覆ふ皇子の墓
      知人無き任地に一会秋蛍
 
     青空に鳩の飛び立つ原爆忌 高原洋子
    墓参して父に祈るや母のこと
       団子屋の煙香ばし夏祭
 
     雲流れ衣を照らす夜半の月 木村玲子
 
      六道に残る暑さの珍皇寺 野田ゆたか
     乳たりて軽やかな息星月夜
    送火の消えて残像見てをりぬ
 
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
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宏一撮影/揚羽蝶
宏一撮影/津和野(島根)
和行撮影/鎌の柄のキリギリス
和行撮影/夕顔の実
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これら写真は、出句函のものを複写しました。 写真をクリックすると拡大します。
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平成20年8月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。花野の俳句 一面の花野の中の花野かな 長嶺 勇。われもこうの俳句 吾もまた花だと思う吾亦紅 長嶺 勇。なでしこの俳句 山頂の撫子風に傾ぎけり 長嶺 勇。稲の俳句 故郷は稲の匂ひと水の音 木村宏一。蝉時雨の俳句 権現堂苔のにほひと蝉しぐれ 木村宏一。ひぐらしの俳句 蜩の終焉のなき鳴き比べ 木村宏一。葦の俳句 葦越に心地よき風ふみひらく 湯澤まさえ。小鳥来るの俳句 小鳥来る母屋の西の青いやね 湯澤まさえ。百日紅の俳句 さるすべり紅をこぼして校歌の碑 湯澤まさえ。雲の峰の俳句 背を競ひ遠く近くに雲の峰 駒田暉風。雷の俳句 雷一閃遠きを念じ音を待つ 駒田暉風。萩の俳句 白萩も紅萩もあり菓子舗かな緑 駒田暉風。キリギリスの俳句 きりぎりす草の汁染む鎌の柄 岩本和行。夕顔の俳句 夕顔のぶらりぶらりと風任せ 岩本和行。月涼しの俳句 芋の葉の珠に映りし月涼し 岩本和行。月夜の俳句 山容は白画と更ける月夜かな 酒井牧人。夜長の俳句 長き夜に風呂好き長湯ぞんぶんに 酒井牧人。星月夜の俳句 星月夜継ぐ船旅に喜の字祝ぐ 酒井牧人。青芒の俳句 青芒繁るほど風生みにけり 石崎僧びん。夏初めの俳句 ジーパンの擦り切れし膝夏はじめ 石崎僧びん。夏蝶の俳句 夏蝶や籠大仏の大庇 石崎僧びん 石崎僧びん。りんどうの俳句 忌に捧ぐ母の好みし濃竜胆 有馬やよこ。七夕竹の俳句 七夕竹子ら文字らしき絵を飾る 有馬やよこ。狗尾草の俳句 ゑのころ草篭活けすれば野風来し 有馬やよこ。送火の俳句 送火や家祖の残せし伊予千句 有馬たく。蜻蛉の俳句 蜻蛉の目回さんとして近づきぬ 有馬たく。今朝の秋の俳句 船影の近づく波止や今朝の秋 有馬たく。盂蘭盆会の俳句 兄妹の母と語らふ盂蘭盆会 橋本幹夫。夏草の俳句 夏草の墳丘覆ふ皇子の墓 橋本幹夫。秋蛍の俳句 知人無き任地に一会秋蛍 橋本幹夫。原爆忌の俳句 青空に鳩の飛び立つ原爆忌 高原洋子。墓参の俳句 墓参して父に祈るや母のこと 高原洋子。夏祭りの俳句 団子屋の煙香ばし夏祭 高原洋子。月の俳句 雲流れ衣を照らす夜半の月 木村玲子。暑さの俳句 六道に残る暑さの珍皇寺 野田ゆたか。星月夜の俳句 乳たりて軽やかな息星月夜 野田ゆたか。送火の俳句 送火の消えて残像見てをりぬ 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。