入道雲金剛山を踏み台に 長嶺 勇
南風に松韻軽るくありにけり
笙の音の響く参道大茅の輪
一歩引く冷気流してしぶく滝 木村宏一
高原を吹き抜けて風汗乾く
かなかなの声高原を鎮まらせ
梨の実や昔通つた校舎跡 湯澤まさえ
油蝉屋敷に残す穴いくつ
木漏日に羽を休めて揚羽蝶
バスが出て男日傘の遠き道 駒田暉風
胸元を扇風機だけに覗かせて
転寝のページをめくる扇風機
さみだれの水路た走る坂の道 岩本和行
桑の実や煤にまみれし蚕棚
曇り夜の香り重たき栗の花
茎高に蓮咲きにけり葉を統べて 酒井牧人
蓮の花白寿おばばが立ち拝む
乗馬する少女へ牧の夏来る 石崎僧びん
車座の坊主頭や新樹光
顔伏せて遺跡掘る人夏帽子
草むらに風起しけり百合の花 有馬やよこ
向日葵の道に一列ランドセル
蝉時雨車窓開ければうねり来し
藪川をのぞき見てゐる花南瓜 有馬たく
止らむと葉揺れ窺ふ初蜻蛉
夕風や小降りと成りし蝉時雨
夏風邪に憑かれた男二人居る 石川順一
碧天へ拳突き上ぐ立夏哉 橋本幹夫
字画よし名付けて爺は夏羽織
徒労との思ひ打消し草を引く 野田ゆたか
炎天の入口なりし地下出口
押し照るや周航歌碑の月涼し
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/雄滝
宏一撮影/砥峰(とのみね)高原
和行撮影/桑の実
和行撮影/蛾(火取虫)
これら写真は、出句函のものを複写しました。 写真をクリックすると拡大します。
平成20年7月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。入道雲の俳句 入道雲金剛山を踏み台に 長嶺 勇。南風の俳句 南風に松韻軽るくありにけり 長嶺 勇。茅の輪の俳句 笙の音の響く参道大茅の輪 長嶺 勇。滝の俳句 一歩引く冷気流してしぶく滝 木村宏一。汗の俳句 高原を吹き抜けて風汗乾く 木村宏一。かなかなの俳句 かなかなの声高原を鎮まらせ 木村宏一。梨の俳句 梨の実や昔通つた校舎跡 湯澤まさえ。あぶら蝉の俳句 油蝉屋敷に残す穴いくつ 湯澤まさえ。揚羽蝶の俳句 木漏日に羽を休めて揚羽蝶 湯澤まさえ。男日傘の俳句 バスが出て男日傘の遠き道 駒田暉風。扇風機の俳句 胸元を扇風機だけに覗かせて 駒田暉風。扇風機の俳句 転寝のページをめくる扇風機 駒田暉風。五月雨の俳句 さみだれの水路た走る坂の道 岩本和行。蚕棚の俳句 桑の実や煤にまみれし蚕棚 岩本和行。栗の花の俳句 曇り夜の香り重たき栗の花 岩本和行。蓮の俳句 茎高に蓮咲きにけり葉を統べて 酒井牧人。蓮の俳句 蓮の花白寿おばばが立ち拝む 酒井牧人。夏来るの俳句 乗馬する少女へ牧の夏来る 石崎僧びん。新樹の俳句 車座の坊主頭や新樹光 石崎僧びん。夏帽子の俳句 顔伏せて遺跡掘る人夏帽子 石崎僧びん。百合の俳句 草むらに風起しけり百合の花 有馬やよこ。向日葵の俳句 向日葵の道に一列ランドセル 有馬やよこ。蝉時雨の俳句 蝉時雨車窓開ければうねり来し 有馬やよこ。南瓜の花の俳句 藪川をのぞき見てゐる花南瓜 有馬たく。初蜻蛉の俳句 止らむと葉揺れ窺ふ初蜻蛉 有馬たく。蝉しぐれの俳句 夕風や小降りと成りし蝉時雨 有馬たく。夏風邪の俳句 夏風邪に憑かれた男二人居る 石川順一。立夏の俳句 碧天へ拳突き上ぐ立夏哉 橋本幹夫。夏羽織の俳句 字画よし名付けて爺は夏羽織 橋本幹夫。草引きの俳句 徒労との思ひ打消し草を引く 野田ゆたか。炎天の俳句 炎天の入口なりし地下出口 野田ゆたか。月涼しの俳句 押し照るや周航歌碑の月涼し 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。