貸錆びてなほ山梔子の花香を放ち 長嶺 勇
日の斑揺る渓になだれし著莪畳
欄干にもたれ瀬音の蛍待つ
夕に散る説法で知る沙羅の花 木村宏一
鉄線花咲いて生垣さりげなく
雨上り傾き正し立葵
ふるさとの訛り賑やか青葡萄 湯澤まさえ
流れゆく雲を写してあめんぼう
蚕豆や郷にぎわせる鳥の声
粋と艶江戸と肥後とに花菖蒲 駒田暉風
花菖蒲辰巳芸者の立ち姿
側溝の水音増して梅雨に入る
閑古鳥浅間の雪も消えぎえに 岩本和行
入魂の田掻き終へたる灯かな
閑かさや野中の寺の閑古鳥
菖蒲咲く綺麗所が集ふかに 酒井牧人
鯉緋絢くもりも深く梅雨寒し
夕映えつ雨やみにけり濃紫陽花
可惜夜の脱ぐを躊躇ふ花衣 石崎僧びん
歳時記は五十六刷虚子忌かな
鳥帰る嶺の向うは越の国
青梅を漬けて安堵の朝茶かな 有馬やよこ
雨の間に垣根越したる鉄線花
燕子花織部の花器の青深む
戸を開けば今朝新しき風薫る 有馬たく
釈迦堂の玻璃に植田の水明り
青空へ登り競へる葵かな
恐らくは味噌の壺なれ目高居る 石川順一
大き葉がなすびの花を際立たせ
注釈にマーカーライン夏期講座 橋本幹夫
鉄線花蔓を絡めてまわりみち
ほうたるの去りて久しき堤かな
梅雨傘の列の踏切まだ開かず 野田ゆたか
目覚よき顔して夏至の朝茶かな
静けさや風止む刻の竹落葉
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/沙羅双樹の落花
宏一撮影/鉄線花
和行撮影/郭公(閑古鳥)
和行撮影/棚田(一部植田)
これら写真は、出句函のものを複写しました。 写真をクリックすると拡大します。
平成20年6月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたかくちなし。の俳句 貸錆びてなほ山梔子の花香を放ち 長嶺 勇。しゃがの俳句 日の斑揺る渓になだれし著莪畳 長嶺 勇。ほたるの俳句 欄干にもたれ瀬音の蛍待つ 長嶺 勇。しゃらのはなの俳句 夕に散る説法で知る沙羅の花 木村宏一。てっせんかの俳句 鉄線花咲いて生垣さりげなく 木村宏一。たちあおいの俳句 雨上り傾き正し立葵 木村宏一。青ぶどうの俳句 ふるさとの訛り賑やか青葡萄 湯澤まさえ。水馬の俳句 流れゆく雲を写してあめんぼう 湯澤まさえ。そら豆の俳句 蚕豆や郷にぎわせる鳥の声 湯澤まさえ。花しょうぶの俳句 粋と艶江戸と肥後とに花菖蒲 駒田暉風。花しょうぶの俳句 花菖蒲辰巳芸者の立ち姿 駒田暉風。梅雨入の俳句 側溝の水音増して梅雨に入る 駒田暉風。かんこ鳥の俳句 閑古鳥浅間の雪も消えぎえに 岩本和行。田掻きの俳句 入魂の田掻き終へたる灯かな 岩本和行。かんこ鳥の俳句 閑かさや野中の寺の閑古鳥 岩本和行。しょうぶの俳句 菖蒲咲く綺麗所が集ふかに 酒井牧人。梅雨寒しの俳句 鯉緋絢くもりも深く梅雨寒し 酒井牧人。濃紫陽花の俳句 夕映えつ雨やみにけり濃紫陽花 酒井牧人。花衣の俳句 可惜夜の脱ぐを躊躇ふ花衣 石崎僧びん。虚子忌の俳句 歳時記は五十六刷虚子忌かな 石崎僧びん。鳥帰るの俳句 鳥帰る嶺の向うは越の国 石崎僧びん。青梅の俳句 青梅を漬けて安堵の朝茶かな 有馬やよこ。鉄線花の俳句 雨の間に垣根越したる鉄線花 有馬やよこ。かきつばたの俳句 燕子花織部の花器の青深む 有馬やよこ。風薫るの俳句 戸を開けば今朝新しき風薫る 有馬たく。植田の俳句 釈迦堂の玻璃に植田の水明り 有馬たく。あおいの俳句 青空へ登り競へる葵かな 有馬たく。めだかの俳句 恐らくは味噌の壺なれ目高居る 石川順一。茄子の花の俳句 大き葉がなすびの花を際立たせ 石川順一。夏期講座の俳句 注釈にマーカーライン夏期講座 橋本幹夫。てっせん花の俳句 鉄線花蔓を絡めてまわりみち 橋本幹夫。蛍の俳句 ほうたるの去りて久しき堤かな 橋本幹夫。梅雨傘の俳句 梅雨傘の列の踏切まだ開かず 野田ゆたか。夏至の俳句 目覚よき顔して夏至の朝茶かな 野田ゆたか。竹落葉の俳句 静けさや風止む刻の竹落葉 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。