貸農園一畝だけの麦の秋 長嶺 勇
ぼうたんの咲き充ちたりて静かなり
葉桜を濡らす雨音なかりけり
藤の花ときめく想ひ今もなほ 木村宏一
天瀧はしぶき巻上げ虹の道
歩も軽く鴬の声登り坂
明治の音かもすオルガン新樹光 湯澤まさえ
一木に庫裏も御堂も花吹雪
常しへに明治の校舎風薫る
一閃の腹の白さや初燕 駒田暉風
奥社湿り気帯びて風薫る
風薫る歩き始めた向かいの児
囀の梢は高し榛の森 岩本和行
踏外す小道は埋もれ二輪草
海女おうな犬を見張の和布刈
白壽翁腰かくしやくに菊根分 酒井牧人
老残の命ぬくめて菖蒲酒
緑蔭にバス停移しありにけり
花菜風棹撓わせて渡し舟 石崎僧びん
啓蟄や昆虫館は閉じしまま
発掘の休みの日なり地虫出づ
白光の砥部の器に花菖蒲 有馬やよこ
群咲きて二人静の清滝寺
燕子花葉組し今朝や光琳忌
薫風を割りゆく単車風となる 有馬たく
新緑に染めらる今朝の至福かな
万緑の丘の風車の入日かな
散らし寿司酢飯は充分冷まされて 石川順一
無残やな白の躑躅の枯れて行く
初鳴きの蛙は夜を謳歌する
つばくろの水平に飛ぶ早さかな 橋本幹夫
恩光を花にとどめて山法師 野田ゆたか
朴の花かほり流せる風の向き
袋角触れれば通ふ血のぬくみ
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一撮影/藤
和行撮影/轍(二輪草)
宏一撮影/滝
和行撮影/初夏の沼
これら写真は、出句函のものを複写しました。
写真をクリックすると拡大します。
平成20年5月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。麦の秋の俳句 貸農園一畝だけの麦の秋 長嶺 勇。牡丹の俳句 ぼうたんの咲き充ちたりて静かなり 長嶺 勇。葉桜の俳句 葉桜を濡らす雨音なかりけり 長嶺 勇。藤の花の俳句 藤の花ときめく想ひ今もなほ 木村宏一。虹の俳句 天瀧はしぶき巻上げ虹の道 木村宏一。鴬の俳句 歩も軽く鴬の声登り坂 木村宏一。新樹の俳句 明治の音かもすオルガン新樹光 湯澤まさえ。花吹雪の俳句 一木に庫裏も御堂も花吹雪 湯澤まさえ。風薫るの俳句 常しへに明治の校舎風薫る 湯澤まさえ。初燕の俳句 一閃の腹の白さや初燕 駒田暉風。風薫るの俳句 奥社湿り気帯びて風薫る 駒田暉風。風薫るの俳句 風薫る歩き始めた向かいの児 駒田暉風。囀りの俳句 囀の梢は高し榛の森 岩本和行。二輪草の俳句 踏外す小道は埋もれ二輪草 岩本和行。若布刈りの俳句 海女おうな犬を見張の和布刈 岩本和行。菊根分の俳句 白壽翁腰かくしやくに菊根分 酒井牧人。菖蒲酒の俳句 老残の命ぬくめて菖蒲酒 酒井牧人。緑蔭の俳句 緑陰にバス停移しありにけり 酒井牧人。花菜の俳句 花菜風棹撓わせて渡し舟 石崎僧びん。啓蟄の俳句 啓蟄や昆虫館は閉じしまま 石崎僧びん。地虫出ずの俳句 発掘の休みの日なり地虫出づ 石崎僧びん。花菖蒲の俳句 白光の砥部の器に花菖蒲 有馬やよこ。二人静の俳句 群咲きて二人静の清滝寺 有馬やよこ。燕子花の俳句 燕子花葉組し今朝や光琳忌 有馬やよこ。薫風の俳句 薫風を割りゆく単車風となる 有馬たく。新緑の俳句 新緑に染めらる今朝の至福かな 有馬たく。万緑の俳句 万緑の丘の風車の入日かな 有馬たく。鮓の俳句 散らし寿司酢飯は充分冷まされて 石川順一。つつじの俳句 無残やな白の躑躅の枯れて行く 石川順一。蛙の俳句 初鳴きの蛙は夜を謳歌する 石川順一。つばくろの俳句 つばくろの水平に飛ぶ早さかな 橋本幹夫。山法師の俳句 恩光を花にとどめて山法師 野田ゆたか。朴の花の俳句 朴の花かほり流せる風の向き 野田ゆたか。袋角の俳句 袋角触れれば通ふ血のぬくみ 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。