耳だけを大きく立てて闇汁会 長嶺 勇
背を丸め朝市の婆火鉢抱く
枯芙蓉花ある季が偲ばれて
温暖化身構えなしに縄のれん 木村宏一
水の音色濃くなりてもみぢ散る
ルミナリエ携帯電話で撮る人ら
庭隅にいつとは知らず藪柑子 駒田暉風
藪柑子ここは子供の秘密基地
願ふ事幾つ叶ひし年尽くる
滝道や落葉紅葉の厚化粧 竹松すすむ
孫が来て聖樹の明り華やかに
年の瀬や送信メール絵文字増え
白菜の髻束ね村こもる 岩本和行
たらんぼや棘の摺子木雪に立て
塩断ちを立てる晦日の蕎麦の味
蕎麦食みて義士討入の日と思ふ 野田ゆたか
菊枯て水遣ホースとぐろ巻く
体重を乗せて冬至の南瓜切る
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
宏一の句
ルミナリエ=古くは、装飾芸術のひとつとして誕生した光の魅力を駆使した建築物が起源。
現在は、電気照明を用いた幻想的な光の彫刻として創作されている。神戸市内で1995
年から毎年12月の中旬に2週間展示され、京阪神では12月の風物詩となっている。
地方的季語として定着しつつあります。2006年の入場者465万人。
和行の句
髻=たぶさ・みずら・もとどり。髪の毛を頭上に集めて束ねたところ。転じて「白菜がバラバラ
に開かないように」括ること。読者は、句を575のリズムで読みますので4音、「もと
どり」と読みます。
たらんぼ=北海道などでは『たらの木』のことを『たらんぼ』と言います。
宏一影/紅葉谷
宏一影/ルミナリエ
これら写真は、出句函のものを複写しました。
写真をクリックすると拡大して見られます。
たらんぼ(たらの芽)
平成18年12月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。闇汁の俳句 耳だけを大きく立てて闇汁会 長嶺 勇。火鉢の俳句 背を丸め朝市の婆火鉢抱く。枯芙蓉の俳句 枯芙蓉花ある季が偲ばれて。温暖化の俳句 温暖化身構えなしに縄のれん 木村宏一。黄葉散るの俳句 水の音色濃くなりてもみぢ散る。ルミナリエの俳句 ルミナリエ携帯電話で撮る人ら。薮柑子の俳句 庭隅にいつとは知らず藪柑子 駒田暉風。薮柑子の俳句 藪柑子ここは子供の秘密基地。年尽きるの俳句 願ふ事幾つ叶ひし年尽くる。落ち葉の俳句 滝道や落葉紅葉の厚化粧 竹松すすむ。聖樹の俳句 孫が来て聖樹の明り華やかに。年の瀬の俳句 年の瀬や送信メール絵文字増え。白菜の俳句 白菜の髻束ね村こもる 岩本和行。雪の俳句 たらんぼや棘の摺子木雪に立て。晦日蕎麦の俳句 塩断ちを立てる晦日の蕎麦の味。義士討ち入りの火の俳句 蕎麦食みて義士討入の日と思ふ 野田ゆたか。枯菊の俳句 菊枯て水遣ホースとぐろ巻く。南瓜の俳句 体重を乗せて冬至の南瓜切る。