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    朝市の通草は蔓に葉の付きて 長嶺 勇
      大峯の山襞はるか薄紅葉
      峡深し村を隠して秋黴雨
 
 
     軒下や僅かに揺れる唐辛子 森戸しうじ
      托鉢や京の尼僧の薄紅葉
   稲刈りて風の行く道入れかはる
 
 
    山肌を白波のごとすすき揺れ 木村宏一
 
 
   十三夜汽笛は長く尾を曳きてぬ 野田ゆたか
    鵙啼きて哲学の道つながりぬ
   去る秋の浮き足立てる日暮かな
 
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
勇の句

通草=あけび。

大峯=おおみね。奈良県南部、大峰山脈の主要部の諸峰。狭義には山上ケ岳の呼称。修験道の
   根本道場。

秋黴雨=あきついり。「ついり」は「つゆいり」の変化。秋の頃、梅雨のように、雨が続くこと。

しうじの句

托鉢=たくはつ。僧尼が経文を唱えながら各戸をまわり、米や銭などの施与を鉢に受けること。
宏一の芒の句の景
托鉢僧
写真は、出句函から転写しました。
平成17年10月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。通草の俳句 朝市の通草は蔓に葉の付きて 長嶺 勇。薄紅葉の俳句 大峯の山襞はるか薄紅葉 長嶺 勇。秋黴雨の俳句 峡深し村を隠して秋黴雨 長嶺 勇。唐辛子の俳句 軒下や僅かに揺れる唐辛子 森戸しうじ。薄紅葉の俳句 托鉢や京の尼僧の薄紅葉 森戸しうじ。稲刈の俳句 稲刈りて風の行く道入れかはる 森戸しうじ。すすきの俳句 山肌を白波のごとすすき揺れ 木村宏一。十三夜の俳句 十三夜汽笛は長く尾を曳きてぬ 野田ゆたか。鵙の俳句 鵙啼きて哲学の道つながりぬ 野田ゆたか。去る秋の俳句 去る秋の浮き足立てる日暮かな 野田ゆたか。