咲ききれず雨に崩るる蓮の花 長嶺 勇
梅雨曇り波の重たき茅渟の海
水玉にあめんぼうの輪重なりて
植ゑた田を突き抜けてゆく新幹線 森戸しうじ
やうやくに代田ひかりて老夫婦
畝長しをちこち蝶の舞ひてをり
祖谷峡の小便小僧万緑に 木村宏一
腕かして団扇片手に金毘羅宮
蝉時雨人影消して街とまる
真清水に遣回して紙コップ 野田ゆたか
墓前へと郷の清水を汲みにけり
炎暑など寄せね秘境の深さかな
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
勇の句
茅渟の海=ちぬのうみ。黒鯛(ちぬ)の棲むと言う意で、茅渟(ちぬ)の海と呼ばれる海がある。
茅渟海(ちぬのうみ)。→和泉(いずみ)国と淡路国との間の海の古称。現在の大阪湾南部
にあたる。和泉灘。古称では「の」を表記しない。
しうじの
代田=しろた。水が張られた田植え前の田。田植えの準備のととのった田。
畝=うね。畑に作物を植えつけるため、間隔をおいて土を筋状に高く盛り上げた所。
宏一の句
祖谷峡=いやきょう。徳島県西部、吉野川の支流祖谷川と松尾川の流域にある峡谷。
平家の落人伝説、隠田集落で知られた秘境。
木村宏一撮影
祖谷渓谷の
小便小僧
平成17年7月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。蓮の花の俳句 咲ききれず雨に崩るる蓮の花 長嶺 勇。梅雨曇りの俳句 梅雨曇り波の重たき茅渟の海 長嶺 勇。水馬の俳句 水玉にあめんぼうの輪重なりて 長嶺 勇。植田の俳句 植ゑた田を突き抜けてゆく新幹線 森戸しうじ。代田の俳句 やうやくに代田ひかりて老夫婦 森戸しうじ。蝶の俳句 畝長しをちこち蝶の舞ひてをり 森戸しうじ。万緑の俳句 祖谷峡の小便小僧万緑に 木村宏一。団扇の俳句 腕かして団扇片手に金毘羅宮 木村宏一。蝉時雨の俳句 蝉時雨人影消して街とまる 木村宏一。清水の俳句 真清水に遣回して紙コップ 野田ゆたか。清水の俳句 墓前へと郷の清水を汲みにけり 野田ゆたか。炎気の俳句 炎気など寄せね秘境の深さかな 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。