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     急磴の半ばにありて不如帰 長嶺 勇
      大口を一斉にあけ燕の子
      黒南風を纏ひて浜の松林
 
 
    一輪に引き戻さるるえびね展 森戸しうじ
    介護する人もリハビリ五月闇
     爽やかな飛行機雲や空の先
 
 
   木漏日に静かに在りて百合の花 木村宏一
     飛ぶ如く片栗の花風に揺れ
 
 
   鮎は瀬を泳ぐかたちに串打たれ 野田ゆたか
    まだ箸をつけずに鮎の釣談義
      栗の花匂へば近き父の墓
 
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
勇の句

急磴=きゅうとう。急な石段の意。急な坂道の意。
       (磴=音読み-トウ。訓読みなし。)

不如帰=ほととぎす。杜鵑・時鳥・子規・郭公・不如帰の字が当てられる。

黒南風=くろはえ。梅雨時の風。 ※白南風(しろはえ)=梅雨明け後の夏の風。


しうじの句

えびね[海老根・蝦根・偕老根]※黄花・夏海老根などもあり。

五月闇=さつきやみ。陰暦5月(梅雨月)、主に昼間の梅雨雲の覆った暗さを云う。
    朝、夕、夜間も五月闇と詠まれる。
木村宏一詠/写真俳句 出句函の添付写真をコピーしました。
平成17年6月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。ほととぎすの俳句 急磴の半ばにありて不如帰 長嶺 勇。燕の子の俳句 大口を一斉にあけ燕の子 長嶺 勇。黒南風の俳句 黒南風を纏ひて浜の松林 長嶺 勇。えびねの俳句 一輪に引き戻さるるえびね展 森戸しうじ。五月闇の俳句 介護する人もリハビリ五月闇 森戸しうじ。爽やかの俳句 爽やかな飛行機雲や空の先 森戸しうじ。百合の花の俳句 木漏日に静かに在りて百合の花 木村宏一。片栗の花の俳句 飛ぶ如く片栗の花風に揺れ 木村宏一。鮎の俳句 鮎は瀬を泳ぐかたちに串打たれ 野田ゆたか。鮎の俳句 まだ箸をつけずに鮎の釣談義 野田ゆたか。栗の花の俳句 栗の花匂へば近き父の墓 野田ゆたか。