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     谷水に晒してありし茹で蕨 長嶺 勇
    盛りとて早や摘花とや桃の花
      藤村の初恋に逢ふ花林檎
 
 
      前線はわが庭にあり朝桜 森戸しうじ
    焼香を終へて花見の列に入る
      笑ふ声ばかり百々日の春の宵
 
 
     穴城の一会は朧なりしかな 野田ゆたか
    春眠に覚めて余生の旅にあり
   モノレール花の雲海来て止まる
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
勇の句

蕨=わらび。
摘花=てきか/てきくわ。※地方によっては、「てっか」とも。余分な花を摘み取って花数を
   整理して、良質の実を育てるのに必要な農作業。

しうじの句

百々日=ももか。生まれて100日目、両親に反応して笑顔を見せ始め、表情がゆたかになり
   だすころ。

ゆたかの句

穴城=あなじょう。小諸城の別名。・・・浅間山など周囲の山々を城壁とし低い位置に構築さ
   れている。   ※参考 大阪城→錦城(きんじょう)・青錆城(せいじょう)     
小諸城址より浅間山を望む
<藤村の初恋> 勇の句

 藤村の初恋は明治26年からの2年間に起こりました。
 当時藤村は明治女学校(長野県)の教師として奉職していました。

 その教え子に佐藤輔子という美少女がいて、藤村は密かに恋心を抱いて
いました。当時22歳でした。

 その年、藤村は輔子への愛を打ち明けることなく女学校を退職します。
平成17年4月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。蕨の俳句 谷水に晒してありし茹で蕨 長嶺 勇。桃の花の俳句 盛りとて早や摘花とや桃の花 長嶺 勇。林檎の花の俳句 藤村の初恋に逢ふ花林檎 長嶺 勇。桜の俳句 前線はわが庭にあり朝桜 森戸しうじ。花見の俳句 焼香を終へて花見の列に入る  森戸しうじ。春の宵の俳句 笑ふ声ばかり百々日の春の宵 森戸しうじ。おぼろの俳句 穴城の一会は朧なりしかな 野田ゆたか。春眠の俳句 春眠に覚めて余生の旅にあり 野田ゆたか。花の雲海の俳句 モノレール花の雲海来て止まる 野田ゆたか。