磴下に佇てば宝厳寺梅匂う 大西ひろし
連翹の一花ずつの花明り
葉牡丹のほどけて別れ霜しずる
境内の梅が咲いたと人伝に 長嶺 勇
せせらぎの石滑らせて水温む
手をついてこける幼よ草青む
トンネルを抜けし雪壁白くなり 森戸しうじ
関が原通り抜けたる冬の果て
新婚の隣家に聞こゆ福は内
寒月の音無き音を聞く旅寝 野田ゆたか
一言で片づけてゐる梅の色
瀬の波紋煌めくあたり春の鮠
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
ひろしの句
磴=だん。「段」と同意。
※俳句でよく用いられる「磴」のつく言葉。
【磴道】とうどう。坂道・階段道の意。
【乱磴】らんとう。単に不規則に石を積み上げ作られた階段の意。
宝厳寺=ほうごんじ。
※松山市と滋賀県竹生島に同名の寺がある。
ひろしさんの居所が松山市であり同市の寺と理解。
しずる=下垂る。高所の霜が溶けて滴り落ちるさま。
ゆたかの句
鮠=はえ。淡水小魚。
和名 オイカワ。
異名 地方によりウグイ(一部地方では別種)、ハヤ、ハス、ハイ。
鮠 はえ
平成17年2月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。梅の俳句 磴下に佇てば宝厳寺梅匂ふ 大西ひろし。連翹の俳句 連翹の一花づつの花明り 大西ひろし。別れ霜の俳句 葉牡丹のほどけて別れ霜しずる 大西ひろし。梅の俳句 境内の梅が咲いたと人伝に 長嶺 勇。水温むの俳句 せせらぎの石滑らせて水温む 長嶺 勇。草青むの俳句 手をついてこける幼よ草青む 長嶺 勇。雪壁の俳句 トンネルを抜けし雪壁白くなり 森戸しうじ。関ヶ原の俳句 関が原通り抜けたる冬の果て 森戸しうじ。福は内の俳句 新婚の隣家に聞こゆ福は内 森戸しうじ。寒月の俳句 寒月の音無き音を聞く旅寝 野田ゆたか。梅の色の俳句 一言で片づけてゐる梅の色 野田ゆたか。春の鮠の俳句 瀬の波紋煌めくあたり春の鮠 野田ゆたか。