１２月２０日　開催

　　　　　野積荷の埠頭に溢れ十二月　林 雄次郎
　　　　　　指先に京の師走の町覗く
　　　　　賀状断つ便りの友の恙忌む

　　　　落葉掻音の軽さを掃きよする　松山寿美
　　　　幾重にも襞をたたみて山眠る
　　　　　　　　一年の重さ失ふ古暦

　　　　顔見世の綺麗どころの鬢匂ふ　田中茂治
　　　　　閑がなる午下の環濠浮寝鳥
　　　　　　　　　冬の星映る参道潦

懐手の俳句　古備前の値踏みきまらぬ懐手　野田ゆたか／樹氷の俳句　樹氷林育てて風の募りをり　野田ゆたか／暦売るの俳句　飾りたて元号のなき暦売る　野田ゆたか／時雨靄の俳句　時雨靄立ちて深まる京情緒　西村舟津／枯蓮の俳句　修羅尽し鬼気迫るかに枯蓮　西村舟津／鴨の俳句　着水の鴨に煌く池心かな　西村舟津／一二月の俳句　野積荷の埠頭に溢れ十二月　林 雄次郎／師走の俳句　指先に京の師走の町覗く　林 雄次郎／賀状の俳句　賀状断つ便りの友の恙忌む　林 雄次郎／落葉掻きの俳句　落葉掻音の軽さを掃きよする　松山寿美／山眠るの俳句　幾重にも襞をたたみて山眠る　松山寿美／古暦の俳句　一年の重さ失ふ古暦　松山寿美／顔見世の俳句　顔見世の綺麗どころの鬢匂ふ　田中茂治／浮寝鳥の俳句　閑がなる午下の環濠浮寝鳥　田中茂治／冬の星の俳句　冬の星映る参道潦　田中茂治／干し布団の俳句　干し並ぶ布団のすそに猫丸く　田村昌平／師走の俳句　訳のなくただ忙し気な師走かな　田村昌平／年忘れの俳句　嗜みし都々逸さらり年忘れ　村上唯志／秋明菊の俳句　参道に秋明菊の咲き残る　村上唯志／霧笛の俳句　さいはての霧笛の宿に寝酒酌む　村上唯志／２０１８年(平成３０年)１２月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。