6月21日 開催
適塾の紙魚あと著き蘭学書 松山寿美
曼荼羅堂昏らめ梅雨寒募り来る
千仏の千灯暗し梅雨の堂
廃線となるてふ駅の燕の子 林
雄次郎
長汀に横一線の卯浪かな
一握り足して青梅売られけり
競べ馬一の鳥居に勢揃ひ 田中茂治
重たげに紫陽花の毬雨に垂れ
魚簗荒す鷺追払ふ発破音
初成りの棘ある胡瓜揉み下ろす 田村昌平
植ゑ終へし田に月光の遍かり
懐しき小学校から夏の歌
大らかに布袋の腹や五月晴 西村舟津
逆しまに家並の写る植田かな
全身を動かし毛虫突き進む
梅雨は憂し匂ひ引ずる塵芥車 野田ゆたか
亀石の甲羅晒せし風薫る
端々に田畑うるほし虎が雨
・・・・・ 選者 岬 忠 詠 ・・・・・
漏刻の落ちつぐ水に風光る
飛簷打つ粗き高野の走り梅雨
床上げの目途なきままに梅雨に入る
紙魚の俳句 適塾の紙魚あと著き蘭学書 松山寿美/梅雨寒の俳句 曼荼羅堂昏らめ梅雨寒募り来る 松山寿美/梅雨の俳句 千仏の千灯暗し梅雨の堂 松山寿美/燕の子の俳句 廃線となるてふ駅の燕の子 林雄次郎/卯浪の俳句 長汀に横一線の卯浪かな 林雄次郎/青梅の俳句 一握り足して青梅売られけり 林雄次郎/競べ馬の俳句 競べ馬一の鳥居に勢揃ひ 田中茂治/紫陽花の俳句 重たげに紫陽花の毬雨に垂れ 田中茂治/魚簗の俳句 魚簗荒す鷺追払ふ発破音 田中茂治/胡瓜の俳句 初成りの棘ある胡瓜揉み下ろす 田村昌平/植田の俳句 植ゑ終へし田に月光の遍かり 田村昌平/夏の歌の俳句 懐しき小学校から夏の歌 田村昌平/五月晴れの俳句 大らかに布袋の腹や五月晴 西村舟津/植田の俳句 逆しまに家並の写る植田かな 西村舟津/毛虫の俳句 全身を動かし毛虫突き進む 西村舟津/梅雨の俳句 梅雨は憂し匂ひ引ずる塵芥車 野田ゆたか/風薫るの俳句 亀石の甲羅晒せし風薫る 野田ゆたか/虎が雨の俳句 端々に田畑うるほし虎が雨 野田ゆたか/風光るの俳句 漏刻の落ちつぐ水に風光る 岬忠/梅雨の俳句 飛簷打つ粗き高野の走り梅雨 岬忠/梅雨に入るの俳句 床上げの目途なきままに梅雨に入る 岬忠/2018年(平成30年)6月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。