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3月16日 開催
     漁火の朧の沖にしざりゐく 稲福昌一
      百数ふ朧の島の湾を航く 
 
      牡丹の蕾持つ枝持たぬ枝 
松山寿美
   ゆつたりと水尾を引きゐる番鴨 
 
   空の紺地にちりばめて犬ふぐり 
西村舟津
      欄干に猛り狂ふ火お水取 
 
      お水取五体投地の闇震ふ 
田中茂治
    日と風の匂ひとどめし白子干 
 
    糸柳揺れゐて色をふくらます 
長嶺 勇
   匂ひ来る沈丁の香に歩をとどめ 
 
   鴨の引くことぶれの風兆しそむ 
林  雄次郎
    強東風や変声期の子無口なる 
 
     荒行の跡の紙衣に疲れ身ゆ 
野田ゆたか
        磯開吃水深く船戻る
 
・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
  遠流めく加太の門波に雛流す
 タンカーの沖にのたりと鳥雲に

 
 
 
 
 
朧の俳句 漁火の朧の沖にしざりゐく 稲福昌一。おぼろの俳句 百数ふ朧の島の湾を航く 稲福昌一。牡丹の俳句 牡丹の蕾持つ枝持たぬ枝 松山寿美。鴨の俳句 ゆつたりと水尾を引きゐる番鴨 松山寿美。犬ふぐりの俳句 空の紺地にちりばめて犬ふぐり 西村舟津。御水取の俳句 欄干に猛り狂ふ火お水取 西村舟津。御水取の俳句 お水取五体投地の闇震ふ 田中茂治。白子干の俳句 日と風の匂ひとどめし白子干 田中茂治。糸柳の俳句 糸柳揺れゐて色をふくらます 長嶺 勇。沈丁の俳句 匂ひ来る沈丁の香に歩をとどめ 長嶺 勇。鴨引くの俳句 鴨の引くことぶれの風兆しそむ 林雄次郎。強東風の俳句 強東風や変声期の子無口なる 林雄次郎。紙衣の俳句 荒行の跡の紙衣に疲れ身ゆ 野田ゆたか。磯開の俳句 磯開吃水深く船戻る 野田ゆたか。流し雛の俳句 遠流めく加太の門波に雛流す 村上唯志。鳥雲の俳句 タンカーの沖にのたりと鳥雲に 村上唯志。2017年(平成29年)3月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。