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4月20日 開催
    春愁の手に老斑の殖えゆける 稲福昌一
    春昼の点滴遅々と落ちゆけり
 
    一片の散りゆく花の行方追ふ 西村舟津
     一隅を染め連翹の黄の眩し
 
     柳絮とぶ水豊かなる浮見堂 松山寿美
       欄干に水陽炎や風光る
 
     鞦韆の鉄鎖の匂ひ掌に残る 田中茂治
   四月馬鹿利口といへど騙さるる
 
      貸農園花菜明りの畝続く 長嶺 勇
     大銀杏芽吹きて天を貫ける
 
    海見えて走り出したる遠足児 林 雄次郎
    廃屋の桃咲き満ちて人を恋ふ
 
      囀に誘はれゆく子規の庭 野田ゆたか
    千金の余生の朝寝ほしいまま
  
・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
  蝶の昼野次しきり飛ぶ二軍戦
 虚実混ぜ嘘ぬけぬけと四月馬鹿
春愁の俳句 春愁の手に老斑の殖えゆける 稲福昌一。春昼の俳句 春昼の点滴遅々と落ちゆけり 稲福昌一。散る花の俳句 一片の散りゆく花の行方追ふ 西村舟津。れんぎょうの俳句 一隅を染め連翹の黄の眩し 西村舟津。柳絮の俳句 浮御堂の俳句 柳絮とぶ水豊かなる浮見堂 松山寿美。風光るの俳句 欄干に水陽炎や風光る 松山寿美。しゅうせんの俳句 鞦韆の鉄鎖の匂ひ掌に残る 田中茂治。四月馬鹿の俳句 四月馬鹿利口といへど騙さるる 田中茂治。花菜の俳句 貸農園花菜明りの畝続く 長嶺勇。芽吹きの俳句 大銀杏芽吹きて天を貫ける 長嶺勇。遠足の俳句 海見えて走り出したる遠足児 林雄次郎。桃の花の俳句 廃屋の桃咲き満ちて人を恋ふ 林雄次郎。さえずりの俳句 囀に誘はれゆく子規の庭 野田ゆたか。朝寝の俳句 千金の余生の朝寝ほしいまま 野田ゆたか。蝶の俳句 蝶の昼野次しきり飛ぶ二軍戦 村上唯志。四月馬鹿の俳句 虚実混ぜ嘘ぬけぬけと四月馬鹿 村上唯志。2017年(平成29年)4月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。