７月２１日　開催

･････　選者　岬　　　忠　詠　･････

 

 世に疎く生き独り身の暑に耐ふる

。茄子の俳句　押へても押へても浮く茄子洗ふ　長嶺勇。蟷螂の俳句　小蟷螂なれど闘ふ構へして　長嶺勇。青蛙の俳句　目の合ひしそれより鳴かず青蛙　林雄次郎。泰山木の花の俳句　暮れてなほ泰山木の無垢の白　林雄次郎。でで虫の俳句　でで虫のつひに葉裏へ廻りけり　稲福昌一。海月の俳句　海月除けネットを張りて海開き　稲福昌一。白扇の俳句　白扇に師の一文字の清々し　松山寿美。向日葵の俳句　写生子の向日葵描くゴッホ調　松山寿美。水涼しの俳句　橋脚に砕けて宇治の水涼し　西村舟津。花木槿の俳句　王仁塚と伝へ散りつぐ花木槿　西村舟津。メロンの俳句　見栄張りて思惑買ひの初メロン　田中茂治。登山帽の俳句　登山帽踏破の山のバッチ映ゆ　田中茂治。鱧の俳句　和へものに始まる京の鱧づくし　野田ゆたか。石清水の俳句　峻嶮を登り来掬す石清水　野田ゆたか。暑の俳句　世に疎く生き独り身の暑に耐ふる　岬忠。木天蓼の花の俳句　木天蓼の咲き紛れゐる札所みち　岬忠。２０１６年(平成２８年)７月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。