６月１６日　開催

･････　選者　岬　　　忠　詠　･････

 

　　団塊の昭和還らず夕焼くる
　　釣堀の廃れ蝙蝠飛び交ふる
　

木下闇の俳句　の根径嶮し鞍馬の木下闇　松山寿美。夏柳の俳句　夏柳采女悲恋の池に垂る　松山寿美。茅の輪の俳句　天神の茅の輪くぐりに婆出掛け　田中茂治。田植の俳句　神饌田植う祢宜の脚絆の泥まみれ　田中茂治。茶摘みの俳句　相伝の一芯二葉茶を摘める　稲福昌一。山葵の俳句　アルプスの水の溢れし山葵園　稲福昌一。十薬の花の俳句　十薬の咲き乱れゐる寺の背戸　長嶺勇。代田の俳句　灯点れるマンション映る代田かな　長嶺勇。牛蛙の俳句　隠沼の真夜の底より牛蛙　西村舟津。山梔子の俳句　梔子の重き香にはや酔ひ痴れる　西村舟津。万緑の俳句　万緑の径紺碧の湖に果つ　林雄次郎。梅雨晴間の俳句　梅雨晴間あのまたたきは火星とも　林雄次郎。五月晴の俳句　天麩羅のからりと揚がる五月晴　野田ゆたか。蚊の俳句　一匹の蚊に嬲られて寝もならず　野田ゆたか。夕焼けの俳句　団塊の昭和還らず夕焼くる　岬忠。蝙蝠の俳句　釣堀の廃れ蝙蝠飛び交ふる　岬忠。２０１６年(平成２８年)６月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。