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3月9日 開催
    うからみな絶えし故郷鳥雲に 松山寿美
     俗人を拒む修二会の参籠所
     修二会果て良弁杉に闇戻る
 
     戯れの天意にお山焼き直す 稲福昌一
      草青む馬の歩軽き草千里
     春一番三年坂を吹き抜ける
 
      三更の春めく雨の細々と 林 雄次郎
   夢多きサッカー少年いぬふぐり
    初物の一握りなるつくしんぼ
 
     金婚を祝ひ苗木を植う夫婦 田中茂治
   ものの芽のなべて膨らみ色違へ
    菫咲く土手の窪みの昼餉かな
 
     漣に揺れゐる芦の角ぐみぬ 長嶺 勇
     恥らひを隠すかに揺る菫草
       自転車の轍春泥幾筋も
 
      薬石の効有難く青き踏む 野田ゆたか
   火の粉舞ふ修二会の闇の風荒し
  夕東風や車呑み込みフェーリ発つ

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
  時化あとの汀に芦の角芽ぐむ
  潮入りの湖に仕掛ける白魚網
   遠流めく波に漂ふ流し雛
 
鳥雲にの俳句 うからみな絶えし故郷鳥雲に 松山寿美。修二会の俳句 俗人を拒む修二会の参籠所 松山寿美。修二会の俳句 修二会果て良弁杉に闇戻る 松山寿美。お山焼きの俳句 戯れの天意にお山焼き直す 稲福昌一。草青むの俳句 草青む馬の歩軽き草千里 稲福昌一。春一番の俳句 春一番三年坂を吹き抜ける 稲福昌一。春めくの俳句 三更の春めく雨の細々と 林雄次郎。犬ふぐりの俳句 夢多きサッカー少年いぬふぐり 林雄次郎。つくしんぼの俳句 初物の一握りなるつくしんぼ 林雄次郎。苗木植うの俳句 金婚を祝ひ苗木を植う夫婦 田中茂治。ものの芽の俳句 ものの芽のなべて膨らみ色違へ 田中茂治。菫咲くの俳句 菫咲く土手の窪みの昼餉かな 田中茂治。芦の角の俳句 漣に揺れゐる芦の角ぐみぬ 長嶺勇。すみれ草の俳句 恥らひを隠すかに揺る菫草 長嶺勇。春泥の俳句 自転車の轍春泥幾筋も 長嶺勇。青き踏むの俳句 薬石の効有難く青き踏む 野田ゆたか。修二会の俳句 火の粉舞ふ修二会の闇の風荒し 野田ゆたか。東風の俳句 夕東風や車呑み込みフェーリ発つ 野田ゆたか。角芽ぐむの俳句 時化あとの汀に芦の角芽ぐむ 岬忠。白魚網の俳句 潮入りの湖に仕掛ける白魚網 岬忠。流し雛の俳句 遠流めく波に漂ふ流し雛 岬忠。2016年(平成28年)3月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。