２月１８日　開催

･････　選者　岬　　　忠　詠　･････

 

　火伏の座固めて迫る野火を守る
　　 座礁船傾ぐ島の戸鳥雲に

落椿の俳句　椿落つ雨の重さのありにけり　松山寿美。余寒の俳句　酒蔵の昼なほ暗き余寒かな　松山寿美。水仙の俳句　桟橋に島水仙の荷のどつと　稲福昌一。盆梅の俳句　その中に源平咲きの盆梅展　稲福昌一。麦踏みの俳句　麦踏の老婆に長き畝三筋　田中茂治。二の替わりの俳句　贔屓筋涌ける荒事二の替　田中茂治。春光の俳句　春光のマラソンランナー背に孤独　長嶺勇。座禅草の俳句　雪解水奏でる沢の座禅草　長嶺勇。辛夷の花芽の俳句　天突きて勢ふ辛夷の花芽かな　西村舟津。三椏の花の俳句　俯きに咲き三椏のそつけなく　西村舟津。探梅の俳句　探梅の谷深く来て引返す　林雄次郎。孕猫の俳句　疎まれて路地へ追はるる孕猫　林雄次郎。雪解靄の俳句　山襞に一筋立てり雪解靄　野田ゆたか。春一番の俳句　大琵琶の波立ち上げて春一番　野田ゆたか。野火の俳句　火伏の座固めて迫る野火を守る　岬忠。鳥雲にの俳句　座礁船傾ぐ島の戸鳥雲に　岬忠。２０１６年(平成２８年)２月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。