６月１８日　開催

･････　選者　岬　　　忠　詠　･････

 

　 木天蓼の咲ける難所の札所道

　　みちのくの潮騒の宿明易し
　若竹のしなやかに伸び風を呼ぶ

オリーブの花の俳句　分教の島のオリーブ咲きそめし　稲福昌一。黒南風の俳句　黒南風を託ち蜑どち昼の酒　稲福昌一。梅雨の俳句　写経の俳句　昼の灯を点して梅雨の写経の間　稲福昌一。アカシやの花の俳句　アカシヤの花揺らす風やわらかし　林雄次郎。道教えの俳句　寺町の女坂往く道をしへ　林雄次郎。野蒜の俳句　寄り添へる女控へ目花野蒜　林雄次郎。夏蝶の俳句　夏蝶の舞ふ竹林の明るさに　松山寿美。青芒の俳句　高原の起伏果てなし青芒　松山寿美。梅雨晴間の俳句　茶屋の俳句　梅雨晴間傘干し連ね出合茶屋　松山寿美。夏萩の俳句　夏萩の雨に撓りて走り咲く　長嶺　勇。蛍の俳句　渓音のなき静けさに蛍舞ふ　長嶺　勇。梅雨晴間の俳句　遣り水の光り眩しむ梅雨晴間　長嶺　勇。蛍川の俳句　幽玄の闇深めゆく螢川　野田ゆたか。万緑の俳句　万緑を抽きて堂塔街を統ぶ　野田ゆたか。梅雨滂沱の俳句　梅雨滂沱蔀閉ざして閻魔堂　野田ゆたか。木天蓼の俳句　札所道の俳句　木天蓼の咲ける難所の札所道　岬忠。明易しの俳句　陸奥の俳句　みちのくの潮騒の宿明易し　岬忠。若竹の俳句　若竹のしなやかに伸び風を呼ぶ　岬忠。２０１５年(平成２７年)月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。