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7月16日 開催
     一村に生気引き込む青田風 林 雄次郎
     大粒の雨に泣き止む田の蛙
    聞き流すことも処世や夕端居
 
    鈍色の暈をまとひし梅雨の月 稲福昌一
     朝顔の色より雫こぼれけり
   でで虫の葉裏に廻りそれつきり
 
    秘めやかに結界の蓮匂ひ立つ 西村舟津
      古簾かけて祇園の昼閑か
  吾を刺せし百足憎しと八つ裂きに
 
     大川の水動かざる大暑かな 松山寿美
   夕焼けて波止場通りの異国めく
    一匹が鳴けばたちまち蝉時雨
 
    梅雨明の間近の風の軽さかな 長嶺 勇
     白南風に松籟やまぬ海広し
         風の翫る軒の釣荵
 
     一本の箸でことたる一夜酒 野田ゆたか
   夕焼けし機影の点となりゆけり
      女王花の命短き香を惜む

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
 水打ちて露地の紙燭に灯を入るる
 拭き込みて煤光りせる夏炉の間
 そのかみの一揆ありし地麦の秋
 
青田風の俳句 一村に生気引き込む青田風 林雄次郎。蛙の俳句 大粒の雨に泣き止む田の蛙 林雄次郎。端居の俳句 聞き流すことも処世や夕端居 林雄次郎。梅雨の月の俳句 鈍色の暈をまとひし梅雨の月 稲福昌一。朝顔の俳句 朝顔の色より雫こぼれけり 稲福昌一。ででむしの俳句 でで虫の葉裏に廻りそれつきり 稲福昌一。蓮の俳句 秘めやかに結界の蓮匂ひ立つ 西村舟津。古簾の俳句 祇園の俳句 古簾かけて祇園の昼閑か 西村舟津。むかでの俳句 吾を刺せし百足憎しと八つ裂きに 西村舟津。大暑の俳句 大川の水動かざる大暑かな 松山寿美。夕焼けの俳句 波止場の俳句 夕焼けて波止場通りの異国めく 松山寿美。蝉時雨の俳句 一匹が鳴けばたちまち蝉時雨 松山寿美。梅雨明の俳句 梅雨明の間近の風の軽さかな 長嶺 勇。白南風の俳句 白南風に松籟やまぬ海広し 長嶺 勇。釣荵の俳句 風の翫る軒の釣荵 長嶺 勇。一夜酒の俳句 一本の箸でことたる一夜酒  野田ゆたか。夕焼けの俳句 夕焼けし機影の点となりゆけり 野田ゆたか。女王花の俳句 女王花の命短き香を惜む 野田ゆたか。紙燭の俳句 水打ちて露地の紙燭に灯を入るる 岬忠。夏炉の俳句 拭き込みて煤光りせる夏炉の間 岬忠。麦の秋の俳句 そのかみの一揆ありし地麦の秋 岬忠。2015年(平成27年)月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。