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5月21日 開催
     豆飯を炊きて恙のなき生活 西村舟津
     幌解きて光り眩しむ苗代田
    つつじ燃ゆ丘に白亜の観世音
 
     一樹もて神の大緑蔭となる 松山寿美
     鳶の子の育つ松の上雲は夏
     椰の杜祢宜の通ひ路木下闇
 
    ゆるやかな風を誘ひて花菖蒲 林 雄次郎
      無人駅出迎へ呉し燕の子
      廃屋の荒びし庭の桐の花
 
    源流の昂りやまぬ山毛欅新樹 稲福昌一
      吊し売る当尾の径の夏蕨
      御堂筋洗ひ流して夕立晴
 
      薄紅の憂ひを宿し白牡丹 長嶺 勇
      渓水に晒してありし夏蕨
       被災地の大空泳ぐ鯉幟
 
     アカシヤの花風誘ふ時計台 野田ゆたか
     手応への魚信に勢ひ鰹釣る
    金雀枝に翅音を集めたる亭午

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
 世にはぐれ老ゆく孤独古茶を汲む
   南風吹く網繕ひの蜑総出
野生抜けきれず羽搏てる鵜を馴らす
豆飯の俳句 豆飯を炊きて恙のなき生活 西村舟津。苗代の俳句 幌解きて光り眩しむ苗代田 西村舟津。躑躅の俳句 つつじ燃ゆ丘に白亜の観世音 西村舟津。緑蔭の俳句 一樹もて神の大緑蔭となる 松山寿美。夏の雲の俳句 鳶の子の育つ松の上雲は夏 松山寿美。木下闇の俳句 椰の杜祢宜の通ひ路木下闇 松山寿美。花菖蒲の俳句 ゆるやかな風を誘ひて花菖蒲 林雄次郎。燕の子の俳句 無人駅出迎へ呉し燕の子 林雄次郎。桐の花の俳句 廃屋の荒びし庭の桐の花 林雄次郎。新樹の俳句 源流の昂りやまぬ山毛欅新樹 稲福昌一。夏蕨の俳句 吊し売る当尾の径の夏蕨 稲福昌一。夕立晴れの俳句 御堂筋の俳句 御堂筋洗ひ流して夕立晴 稲福昌一。牡丹の俳句 薄紅の憂ひを宿し白牡丹 長嶺 勇。夏蕨の俳句 渓水に晒してありし夏蕨 長嶺 勇。鯉幟の俳句 被災地の大空泳ぐ鯉幟 長嶺 勇。アカシやの花の俳句 アカシヤの花風誘ふ時計台 野田ゆたか。鰹の俳句 釣りの俳句 手応への魚信に勢ひ鰹釣る 野田ゆたか。金雀枝の俳句 金雀枝に翅音を集めたる亭午 野田ゆたか。古茶の俳句 世にはぐれ老ゆく孤独古茶を汲む 岬忠。南風の俳句 南風吹く網繕ひの蜑総出 岬忠。鵜の俳句 野生抜けきれず羽搏てる鵜を馴らす 岬忠。2015年(平成27年)月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。