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11月27日 開催
    浮寝してなほ陣解かず濠の鴨 稲福昌一
     霧荒ぶ沖へ汽笛の遠ざかる
 
      夕風に鳰の漂ひ潜ぎ浮く 松山寿美
     一色の終を極めて銀杏散る
 
    穏やかな庵の日溜り紫苑咲く 西村舟津
    七堂に映えし紅葉の且散れる
 
    峡五軒ひそと茶の花日和かな 森本恭生
   掻き集む落葉をとばすつむじ風
 
      鰯雲茜に染まり崩れゆく 林 雄次郎
       縁側に影を落して柿簾

    せがまれて綾取り遊び縁小春 長嶺 勇
   中辺路をしばし道連れ小鳥来る
 
   一茶忌や人の世のもの愛ほしく 野田ゆたか
    宮小春源氏名らしき恋の絵馬

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・

  たて続け野山揺すりて威銃
  初鴨の居付かざる池居付く池
鴨の俳句 浮寝してなほ陣解かず濠の鴨 稲福昌一。霧の俳句 霧荒ぶ沖へ汽笛の遠ざかる 稲福昌一。鳰の俳句 夕風に鳰の漂ひ潜ぎ浮く 松山寿美。銀杏散るの俳句 一色の終を極めて銀杏散る 松山寿美。紫苑の俳句 穏やかな庵の日溜り紫苑咲く 西村舟津。紅葉且散るの俳句 七堂に映えし紅葉の且散れる 西村舟津。茶の花の俳句 峡五軒ひそと茶の花日和かな 森本恭生。落ち葉の俳句 掻き集む落葉をとばすつむじ風 森本恭生。鰯雲の俳句 鰯雲茜に染まり崩れゆく 林雄次郎。柿簾の俳句 縁側に影を落して柿簾 林雄次郎。小春の俳句 せがまれて綾取り遊び縁小春 長嶺 勇。小鳥来るの俳句 中辺路をしばし道連れ小鳥来る 長嶺 勇。一茶忌の俳句 一茶忌や人の世のもの愛ほしく 野田ゆたか。小春の俳句 宮小春源氏名らしき恋の絵馬 野田ゆたか。威銃の俳句 たて続け野山揺すりて威銃 岬忠。初鴨の俳句 初鴨の居付かざる池居付く池 岬忠。2014年(平成26年)11月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。