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12月11日 開催
  鮟鱇の吊るされてゐるていたらく 森本恭生
     闇汁のいよよ底なる鍋の音
 
     銃構へ猟夫は犬を放ちけり 稲福昌一
   山茶花や杣は留守の戸開け放ち
 
  数へ日の消しゆくメモの一つづつ 松山寿美
   大銀杏散り尽くしては天を貫く
 
    闇汁の闇もろともに頬張りぬ 長嶺 勇
   振り向けば日に反り返る帰り花
 
   からからと落葉舞ひ来る坂の町 林 雄次郎
      喧騒の街映ゆ濠に鴨浮寝
 
    猪鍋の仕上げは地場の溶き卵 西村舟津
     京洛の暗き数珠屋の畳替へ
 
  使ひ捨てマスクに表裏ありにけり 野田ゆたか
     山眠る鉄鎖に閉ざす浄土窟

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・

  尼寺のつましき斎の大根干す
  隠り沼に居付き数羽の鴨浮寝
鮟鱇の俳句 鮟鱇の吊るされてゐるていたらく 森本恭生。闇汁俳句 闇汁のいよよ底なる鍋の音 森本恭生。猟夫の俳句 銃構へ猟夫は犬を放ちけり 稲福昌一。山茶花の俳句 山茶花や杣は留守の戸開け放ち 稲福昌一。数え日の俳句 数へ日の消しゆくメモの一つづつ 松山寿美。一葉散るの俳句 大銀杏散り尽くしては天を貫く 松山寿美。闇汁の俳句 闇汁の闇もろともに頬張りぬ 長嶺 勇。帰り花の俳句 振り向けば日に反り返る帰り花 長嶺 勇。落ち葉の俳句 からからと落葉舞ひ来る坂の町 林雄次郎。浮寝の俳句 喧騒の街映ゆ濠に鴨浮寝 林雄次郎。猪鍋の俳句 猪鍋の仕上げは地場の溶き卵 西村舟津。畳替えの俳句 京洛の暗き数珠屋の畳替へ 西村舟津。マスクの俳句 使ひ捨てマスクに表裏ありにけり 野田ゆたか。山眠るの俳句 山眠る鉄鎖に閉ざす浄土窟 野田ゆたか。大根干すの俳句 尼寺のつましき斎の大根干す 岬忠。鴨浮寝の俳句 隠り沼に居付き数羽の鴨浮寝 岬忠。2014年(平成26年)12月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。