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9月25日 開催
       影に色零して風の秋桜 稲福昌一
    潮の香の岬の牧場の馬肥ゆる
     噴煙の真直に阿蘇の天高し
 
   秋茄子を焼きて不足のなき生活 松山寿美
    雨に濡れ芒は風の意に添はず
    乱磴を埋め尽くして萩枝垂れ
 
    そのかみの一揆の里の稲の秋 西村舟津
      白鷺の狙ふ刹那や水の秋
      築地塀朽ちし寺町秋寂る
 
     程よしの指呼の高さに烏瓜 林 雄次郎
     虫鳴かせ言葉少なく老暮す
   病葉の虚空のしじま落ちつげる
 
   今年また棚田の畦に彼岸花長嶺 長嶺 勇
       桔梗の解けて濃紫の香
  零余子飯ふるさと遠くなりにけり
 
      一湾の闇を深めて野分波 野田ゆたか
   そこだけに風の生まれて萩の庭
       勅祭の格式今も放生会

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・

  茶筌の祖拓きし里の竹の春
   裏店に老い地蔵会を司る
  稲妻に浮き立つ湖の広さかな
秋桜の俳句 影に色零して風の秋桜 稲福昌一。馬肥ゆるの俳句 潮の香の岬の牧場の馬肥ゆる 稲福昌一。天高しの俳句 噴煙の真直に阿蘇の天高し 稲福昌一。秋茄子の俳句 秋茄子を焼きて不足のなき生活 松山寿美。芒木の俳句 雨に濡れ芒は風の意に添はず 松山寿美。萩の俳句 乱磴を埋め尽くして萩枝垂れ 松山寿美。稲の秋の俳句 そのかみの一揆の里の稲の秋 西村舟津。水の秋の俳句 白鷺の狙ふ刹那や水の秋 西村舟津。秋寂ぶの俳句 築地塀朽ちし寺町秋寂る 西村舟津。烏瓜の俳句 程よしの指呼の高さに烏瓜 林雄次郎。虫の俳句 虫鳴かせ言葉少なく老暮す 林雄次郎。病葉の俳句 病葉の虚空のしじま落ちつげる 林雄次郎。彼岸花の俳句 今年また棚田の畦に彼岸花 長嶺 勇。桔梗の俳句 桔梗の解けて濃紫の香 長嶺 勇。零余子飯の俳句 零余子飯ふるさと遠くなりにけり 長嶺 勇。野分の俳句 一湾の闇を深めて野分波 野田ゆたか。萩の俳句 そこだけに風の生まれて萩の庭 野田ゆたか。放生会の俳句 勅祭の格式今も放生会 野田ゆたか。竹の春の俳句 茶筌の祖拓きし里の竹の春 岬忠。地蔵会の俳句 裏店に老い地蔵会を司る 岬忠。稲妻の俳句 稲妻に浮き立つ湖の広さかな 岬忠。2014年(平成26年)9月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。