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8月28日 開催
  キャンプの灯消え満天の星降れり 稲福昌一
    はらからの一人残され盆の月
 
      蕉翁の生家の竈竈馬這ふ 森本恭生
     全方位奪ひて霧の荒びをり
 
     閻魔より喰らふ一喝盆の寺 西村舟津
    積まれたる槙の香高き草の市
 
     浮見堂吹き抜く風の涼新た 松山寿美
    華やぎの花火果てたる闇深し
 
      底紅の一ト日の散華潔し 長嶺 勇
   滴りを大き掌に受け飲み乾せり
 
      虫全部放し坊やの夏終る 林 雄次郎
    名も味も旧世紀てふ梨を喰ぶ
 
     無縁塚一つひとつに盆の月 野田ゆたか
     淋しげに逢魔ヶ時の秋の蝉

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・

 岬飛沫き浜木綿の実の日々太る
一斉に寝まり消さるるキャンプの灯
 
キャンプの俳句 キャンプの灯消え満天の星降れり 稲福昌一。盆の月の俳句 はらからの一人残され盆の月 稲福昌一。竈馬の俳句 蕉翁の生家のかまど竈馬這ふ 森本恭生。霧の俳句 全方位奪ひて霧の荒びをり 森本恭生。盆の寺の俳句 閻魔より喰らふ一喝盆の寺 西村舟津。草の市の俳句 積まれたる槙の香高き草の市 西村舟津。涼新たの俳句 浮見堂吹き抜く風の涼新た 松山寿美。花火の俳句 華やぎの花火果てたる闇深し 松山寿美。底紅の俳句 底紅の一ト日の散華潔し 長嶺 勇。滴りの俳句 滴りを大き掌に受け飲み乾せり 長嶺 勇。夏終わるの俳句 虫全部放し坊やの夏終る 林雄次郎。梨の俳句 名も味も旧世紀てふ梨を喰ぶ 林雄次郎。盆の月の俳句 無縁塚一つひとつに盆の月 野田ゆたか。秋の蝉の俳句 淋しげに逢魔ヶ時の秋の蝉 野田ゆたか。浜木綿の実の俳句 岬飛沫き浜木綿の実の日々太る 岬忠。キャンプの俳句 一斉に寝まり消さるるキャンプの灯 岬忠。2014年(平成26年)9月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。