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10月24日 開催
      霧荒び霊峰富士の景奪ふ 稲福昌一
      虫の音に心預けて坊泊り
 
  ポケットに似合ふ椎の実拾ひけり 森本恭生
   これよりの鴨鴨に湖ととのひし
 
     独り言多くなりけり暮の秋 林 雄次郎
     まほろばの天の限りに鰯雲
 
      登り窯半ば崩れて昼の虫 西村舟津
     対峙する背山前山装ひそむ
 
     開け放つ農家留守らし秋桜 長嶺 勇
      反芻の牛の瞳に秋思あり

     老の身の独り暮しの冬支度 松山寿美
   色のなき風吹き抜ける刈田かな
 
     偲ばるる事のみ多き十三夜 野田ゆたか
     銃眼を覆ひかくして蔦紅葉

・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
   実るもの多き里山秋日和
  天守なき城址吹きぬけ秋の風
霧の俳句 霧荒び霊峰富士の景奪ふ 稲福昌一。虫の声の俳句 虫の音に心預けて坊泊り 稲福昌一。椎の実の俳句 ポケットに似合ふ椎の実拾ひけり 森本恭生。鴨の俳句 これよりの鴨鴨に湖ととのひし 森本恭生。暮の秋の俳句 独り言多くなりけり暮の秋 林雄次郎。鰯雲の俳句 まほろばの天の限りに鰯雲 林雄次郎。昼の虫の俳句 登り窯半ば崩れて昼の虫 西村舟津。山粧うの俳句 対峙する背山前山装ひそむ 西村舟津。秋桜の俳句 開け放つ農家留守らし秋桜 長嶺 勇。秋思の俳句 反芻の牛の瞳に秋思あり 長嶺 勇。冬支度の俳句 老の身の独り暮しの冬支度 松山寿美。刈田の俳句 色のなき風吹き抜ける刈田かな 松山寿美。十三夜の俳句 偲ばるる事のみ多き十三夜 野田ゆたか。蔦紅葉の俳句 銃眼を覆ひかくして蔦紅葉 野田ゆたか。秋日和の俳句 実るもの多き里山秋日和 岬忠。秋の風の俳句 天守なき城址吹きぬけ秋の風 岬忠。2013年(平成25年)10月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。