d1.gif d2.gif d3.gif
3月28日 開催
      暁闇の湖へ漕ぎ出づ蜆舟 稲福昌一
   沖よりの風にたんぽぽ絮飛ばす
    四万十の風に菜の花咲き乱れ
 
       風戦ぐ水陽炎の浮見堂 松山寿美
    白木蓮と辛夷の競ふ無垢の白
     春風や塔の風鐸鳴りやまず
 
     連翹の黄を際立たせ小糠雨 西村舟津
     湯屋煤け火を噴く竃お水取
  笊に乗せ修二会の生飯の乾きあり
 
      啓蟄や年増の娘身籠りぬ 林 雄次郎
    伸ばしたる語尾の谺や山笑ふ
    雨霽るる山路に親し初音かな
 
       古の遍路の踏みし石畳 長嶺 勇
       耕の鍬光らせて畝作る
      農園の一畝花菜明りかな
 
    貝寄風の波逆立てる河口かな 野田ゆたか
     新調の墨なじみゆく春の水
     風防の肴にしてはほの苦し
 
・・・・・ 選者 岬   忠 詠 ・・・・・
 
  四方に幣張りて耕す献上田
  番ひのみ残し狩場の鴨引けり
  高階の灯りを昏らめ黄沙降る
蜆舟の俳句 暁闇の湖へ漕ぎ出づ蜆舟 稲福昌一。蒲公英の絮の俳句 沖よりの風にたんぽぽ絮飛ばす 稲福昌一。菜の花の俳句 四万十の風に菜の花咲き乱れ 稲福昌一。水陽炎の俳句 風戦ぐ水陽炎の浮見堂 松山寿美。白木蓮の俳句 白木蓮と辛夷の競ふ無垢の白 松山寿美。春風の俳句 春風や塔の風鐸鳴りやまず 松山寿美。連翹の俳句 連翹の黄を際立たせ小糠雨 西村舟津。お水取の俳句 湯屋煤け火を噴く竃お水取 西村舟津。修二会の俳句 笊に乗せ修二会の生飯の乾きあり 西村舟津。啓蟄の俳句 啓蟄や年増の娘身籠りぬ 林雄次郎。山笑うの俳句 伸ばしたる語尾の谺や山笑ふ 林雄次郎。初音の俳句 雨霽るる山路に親し初音かな 林雄次郎。遍路の俳句 古の遍路の踏みし石畳 長嶺 勇。耕しの俳句 耕の鍬光らせて畝作る 長嶺 勇。花菜の俳句 農園の一畝花菜明りかな 長嶺 勇。貝寄せの俳句 貝寄風の波逆立てる河口かな 野田ゆたか。春の水の俳句 新調の墨なじみゆく春の水 野田ゆたか。風防の俳句 風防の肴にしてはほの苦し 野田ゆたか。耕すの俳句 四方に幣張りて耕す献上田 岬忠。鴨引くの俳句 番ひのみ残し狩場の鴨引けり 岬忠。黄沙降るの俳句 高階の灯りを昏らめ黄沙降る 岬忠。2013年(平成25年)3月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。