6月22日 開催
五月闇さらに逢魔ケ時迫る 稲福昌一
恙身の心に重き梅雨の月
寺と宮領す一山時鳥 松山寿美
分水嶺南へ鮎の川となる
翡翆の漁る己れ一矢して 門田窓城
雲の峰寄添ひ伸びてゆくがあり
黒南風や春日の森を吹き撓む 西村舟津
万緑を映し疏水の色翠
汚れなき色を綴りて立葵 林
雄次郎
再稼働異議告ぐるかにほととぎす
風が湧き槐の花の騒ぎをり 高橋泉也
検査終へ結果待つ間の扇子かな
茎細く紫陽花重く地をすれる 水野惠以
荒城の月てふよき名薔薇黄金
鈴蘭の包み切れざる香かな 野田ゆたか
簗壺の水黒々と魚群るる
・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・
沙羅の花腐つ雨とはなりにけり
空と海隔てなかりし男梅雨
五月闇の俳句 五月闇さらに逢魔ケ時迫る 稲福昌一。梅雨の月の俳句 恙身の心に重き梅雨の月 稲福昌一。時鳥の俳句 寺と宮領す一山時鳥 松山寿美。鮎の川の俳句 分水嶺南へ鮎の川となる 松山寿美。翡翠の俳句 翡翆の漁る己れ一矢して 門田窓城。雲の峰の俳句 雲の峰寄添ひ伸びてゆくがあり 門田窓城。黒南風の俳句 黒南風や春日の森を吹き撓む 西村舟津。万緑の俳句 万緑を映し疏水の色翠 西村舟津。立葵の俳句 汚れなき色を綴りて立葵 林雄次郎。時鳥の俳句 再稼働異議告ぐるかにほととぎす 林雄次郎。槐の花の俳句 風が湧き槐の花の騒ぎをり 高橋泉也。扇子の俳句 検査終へ結果待つ間の扇子かな 高橋泉也。紫陽花の俳句 茎細く紫陽花重く地をすれる 水野惠以。バラの俳句 荒城の月てふよき名薔薇黄金 水野惠以。鈴蘭の俳句 鈴蘭の包み切れざる香かな 野田ゆたか。簗の俳句 簗壺の水黒々と魚群るる 野田ゆたか。沙羅の花の俳句 沙羅の花腐つ雨とはなりにけり 西ア佐知。男梅雨の俳句 空と海隔てなかりし男梅雨 西ア佐知。2012年(平成24年)6月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。