8月16日 開催
高原の雲飛ぶ迅さ風は秋 稲福昌一
黙祷の嗚咽となりし原爆忌
頬撫づる風の軽さや今朝の秋
渋取を生業とせる旧家かな 松山寿美
喜寿となりしみじみと聞く法師蝉
夕立に肩寄せ合ひて深庇
幽霊飴土産に下向の六道会 西村舟津
風死して六道の辻油照
蝉時雨朝から耳を聾しをり
如何にせん見栄なく思考なく秋暑 門田窓城
電話みな秋暑嘆くに始まりて
不戦なほ誓ふ八月十五日
愚痴言うて崩し続ける冷奴 林
雄次郎
道問へば指さす処百日紅
さようならトンボ逃がしてバスに乗る
星座表子らと広げて星今宵 野田ゆたか
終戦のその後に触れず原爆忌
割込みて七夕竹に吊る拙句
・・・・・ 選者 西
ア 佐 知 詠 ・・・・・
母逝きし齢はまだまだ墓洗ふ
朝顔や古里遠き海の色
漁火も入り混らせて星月夜
秋風の俳句 高原の雲飛ぶ迅さ風は秋 稲福昌一。原爆忌の俳句 黙祷の嗚咽となりし原爆忌 稲福昌一。今朝の秋の俳句 頬撫づる風の軽さや今朝の秋 稲福昌一。渋取の俳句 渋取を生業とせる旧家かな 松山寿美。法師蝉の俳句 喜寿となりしみじみと聞く法師蝉 松山寿美。夕立の俳句 夕立に肩寄せ合ひて深庇 松山寿美。六道会の俳句 幽霊飴土産に下向の六道会 西村舟津。油照りの俳句 風死して六道の辻油照 西村舟津。蝉時雨の俳句 蝉時雨朝から耳を聾しをり 西村舟津。秋暑の俳句 如何にせん見栄なく思考なく秋暑 門田窓城。秋暑の俳句 電話みな秋暑嘆くに始まりて 門田窓城。8月15日の俳句 不戦なほ誓ふ八月十五日 門田窓城。冷奴の俳句 愚痴言うて崩し続ける冷奴 林 雄次郎。百日紅の俳句 道問えば指さす処百日紅 林 雄次郎。蜻蛉の俳句 さようなら蜻蛉逃がしてバスに乗る 林 雄次郎。星今宵の俳句 星座表子らと広げて星今宵 野田ゆたか。原爆忌の俳句 終戦のその後に触れず原爆忌 野田ゆたか。七夕竹の俳句 割込みて七夕竹に吊る拙句 野田ゆたか。墓洗うの俳句 母逝きし齢はまだまだ墓洗ふ 西ア佐知。朝顔の俳句 朝顔や古里遠き海の色 西ア佐知。星月夜の俳句 漁火も入り混らせて星月夜 西ア佐知。2008年(平成20年)8月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。