11月5日 開催
青空の端よりこぼれ来し落葉 池末あけみ
耶蘇名で書かれし墓標露けしや
殉教の村を訪ねて秋惜む
作務僧の無言の立居石蕗の花 松山寿美
斧入れぬ樹林の幽姿冬めきぬ
命まだ余り綿虫降りて来ず
山住みの四方に濃紅葉うす紅葉 宇都宮美智子
破れ築地破れたるままに蔦紅葉
神輿蔵確かと鍵掛け冬に入る
トンネルの闇出て山の錦かな 門田窓城
行秋の書かねば消えてゆく言葉
昼の虫吉良歴代の墓どころ
通ひ路の車窓の紅葉日々に濃く 野田ゆたか
雨晴れて始まる落葉しぐれかな
露霜の光り解けゆく釣日和
・・・・・ 選者 西
ア 佐 知 詠 ・・・・・
岬鼻に鷹の二羽舞ふ日和かな
俳諧に定年はなし文化の日
散る紅葉風をつないでをりにけり
寿美の句
作務僧=さむそう。禅寺で筋肉労働を行う僧。
幽姿=ゆうし。ほのかではっきりしない姿。優美な姿。たおやかな姿。
ゆたかの句
露霜=つゆしも。露が凍りかけて霜のようになったもの。
佐知の句
岬鼻=さきはな。水中に突き出た岬の先端。
嫋々=じょうじょう。風のむせぶように吹くさま。
落葉の俳句 青空の端よりこぼれ来し落葉 池末あけみの俳句。露けしの俳句 耶蘇名で書かれし墓標露けしや。秋惜しむの俳句 殉教の村を訪ねて秋惜む。石蕗の花の俳句 作務僧の無言の立居石蕗の花 松山寿美の俳句。冬めくの俳句 斧入れぬ樹林の幽姿冬めきぬ。綿虫の俳句 命まだ余り綿虫降りて来ず。薄紅葉の俳句 山住みの四方に濃紅葉うす紅葉 宇都宮美智子の俳句。蔦紅葉の俳句 破れ築地破れたるままに蔦紅葉。立冬の俳句 神輿蔵確かと鍵掛け冬に入る。山の錦の俳句 トンネルの闇出て山の錦かな 門田窓城の俳句。行く秋の俳句 行秋の書かねば消えてゆく言葉。昼の虫の俳句 昼の虫吉良歴代の墓どころ。紅葉の俳句 通ひ路の車窓の紅葉日々に濃く 野田ゆたかの俳句。落葉時雨の俳句 雨晴れて始まる落葉しぐれかな。露霜の俳句 露霜の光り解けゆく釣日和。選者 西ア佐知の俳句 鷹の俳句 岬鼻に鷹の二羽舞ふ日和かな。文化の日の俳句 俳諧に定年はなし文化の日。散る紅葉の俳句 散る紅葉風をつないでをりにけり。2005年(平成17年)11月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。