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9月17日 開催
       秋風や旧街道の悉皆屋 松山寿美
   昨夜の雨秋を深めるものとして
     雲かげの走りて芒光りけり

     朽舟の陰にとぎれつ昼の虫 
宇都宮美智子
    波たたみ波たたみ来て秋の海
     人去りし会所の庭の虫の声

   晴れわたる山まで続く花野かな 
門田窓城
       秋晴や新田会所蔵の白
   カルスト野いま見渡せる大花野

    虫の音に言葉少なくなりし夜 林 雄次郎
     一株のすすき残して鎌洗ふ
  コスモスや横切りし猫の影も揺れ

       狂言の声朗々と萩の宮 
西村舟津
   秋耕を攻め立ててゐる薮蚊かな
     玉砂利の風韻松の御所の秋

       宵闇を明々点し補習塾 
野田ゆたか
  老ゆ母の居間に安らぐ夜なべかな
     万の露育てし庭の夜明かな
 
・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・

   霧が霧追ふ山巓の札所かな
    秋灯や神々多き日本史
   医薬門受付として萩まつり
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寿美の句
悉皆屋 = しっかいや 和服生地を染め、染替え、又は洗張などを請負う業。
      日常、和服を着用しなくなって廃れた業種。
       作者のお住まいの旧奈良街道にある木津町内に1軒だけ残っている。
窓城の句
カルスト = (ドイツ語 Karst)石灰岩が雨水、地下水などの化学的浸食作用を受けてできた地形。
        カルスト台地、カレンフェルド、ドリーネ、鍾洞などがある。
        山口県の秋吉台、福岡県の平尾台、や福島県のあぶくまが有名
舟津の句
風韻松 = ふうゐんまつ 風情のある松。
       [風韻=みやびやかな風情。風趣。すぐれた品格や風采。又は風の音。]
選者詠
山巓 = さんてん 山のいただき。山の頂上。山頂。

医薬門 = いやくもん 薬医門と同意語。いわれは、一説には矢の攻撃を食い止める「矢食い(や
              ぐい)」からきたと言われている。
               また、医者の門として使われ、門の脇に木戸をつけ、四六時中患者が出
              入りできるように使われていたという。
秋の風の俳句 秋風や旧街道の悉皆屋 松山寿美の俳句。秋深むの俳句 昨夜の雨秋を深めるものとして。芒の俳句 雲かげの走りて芒光りけり。昼の虫の俳句 朽舟の陰にとぎれつ昼の虫 宇都宮美智子の俳句。秋の海の俳句 波たたみ波たたみ来て秋の海。虫の声の俳句 人去りし会所の庭の虫の声。花野の俳句 晴れわたる山まで続く花野かな 門田窓城の俳句。秋晴れの俳句 秋晴や新田会所蔵の白。花野の俳句 カルスト野いま見渡せる大花野。虫の音の俳句 虫の音に言葉少なくなりし夜 林雄次郎の俳句。芒の俳句 一株のすすき残して鎌洗ふ。秋桜の俳句 コスモスや横切りし猫の影も揺れ。萩の俳句 狂言の声朗々と萩の宮 西村舟津の俳句。秋耕の俳句 秋耕を攻め立ててゐる薮蚊かな。秋の俳句 玉砂利の風韻松の御所の秋。宵闇の俳句 宵闇を明々点し補習塾 野田ゆたかの俳句。夜なべの俳句 老い母の居間に安らぐ夜なべかな。露の俳句 万の露育てし庭の夜明かな。選者 西ア佐知の俳句 霧の俳句 霧が霧追ふ山巓の札所かな。秋の灯の俳句 秋灯や神々多き日本史。萩祭の俳句 医薬門受付として萩まつり。2005年(平成17年)9月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。