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		   花灯籠いくつ吊りても灯しても 池末あけみ
  
		   思ひ出はよきことばかり盆の月
  
		  
		
  
		    鴟尾天に生絹を刷ける秋の雲 西村舟津
  
		     稲の花匂ひ畷のめくるめく
  
		  
		
  
		      消灯の病窓占める星月夜 松山寿美
  
		  手術後の目覚めすっきり今朝の秋
  
		  
		
  
		    連つぎつぎ続きて阿波の総踊 門田窓城
  
		      本堂の閉す半蔀に法師蝉
  
		  
		
  
		    吐息して秋暑の空を仰ぎけり 宇都宮美智子
  
		     貸ボート裏返されて夏の果
  
		
  
		      大西日通天閣を昏れ残し 林  
		雄次郎
  
		     裏参道詣で下りに西日かな
  
		  
		
  
		      一呼吸遅れて音の遠花火 布野 壽
  
		      黙祷の九段に届け敗戦忌
  
		
  
		    洗ひたるすぐの硯に墨摺りぬ 野田ゆたか
  
		      み仏の朱唇鮮やか地蔵盆
  
		
  
		
	 
	
	
	
	
	
	
		 
  
		・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・・
  
		 
  
		  登り来て息ととのふる風は秋
  
		  露涼しうずくまりたる野の仏
  
		
	 
	
		舟津の句
 
		鴟尾 しび/とびのお = 古代建築の瓦葺の宮殿・仏殿
 
		などの屋根の両端につけた飾り。
 
		現建築では鯱、鬼瓦などとなる。
 
		
 
		生絹 すずし/きぎぬ/きぎす = 生絹の糸、衣、織物
 
		などの略。
 
		畷 なわて/たみち = 田のあいだの道。畦道。長く続
 
		くまっすぐな道。
 
		
 
		窓城の句
 
		蔀 しとみ = 句では半分開いた蔀戸。
 
		神社、仏閣など寝殿造りに用いられている、
 
		格子組の板などで、光や風雨をさえぎるもの。
	
	
	
	
		蔀戸
	
	
	
	
		2005年(平成17年)8月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。花灯篭の俳句 花灯籠いくつ吊りても灯しても 池末あけみの俳句。盆の月の俳句 思ひ出はよきことばかり盆の月。秋の雲の俳句 鴟尾天に生絹を刷ける秋の雲 西村舟津の俳句。稲の花の俳句 稲の花匂ひ畷のめくるめく。星月夜の俳句 消灯の病窓占める星月夜 松山寿美の俳句。今朝の秋の俳句 手術後の目覚めすっきり今朝の秋。阿波踊りの俳句 連つぎつぎ続きて阿波の総踊 門田窓城の俳句。法師蝉の俳句 本堂の閉す半蔀に法師蝉。秋暑の俳句 吐息して秋暑の空を仰ぎけり 宇都宮美智子の俳句。ボートの俳句 貸ボート裏返されて夏の果。大西日の俳句 大西日通天閣を昏れ残し 林雄次郎の俳句。西日の俳句 裏参道詣で下りに西日かな。花火の俳句 一呼吸遅れて音の遠花火 布野壽の俳句。敗戦忌の俳句 黙祷の九段に届け敗戦忌。硯洗うの俳句 洗ひたるすぐの硯に墨摺りぬ 野田ゆたかの俳句。地蔵盆の俳句 み仏の朱唇鮮やか地蔵盆。選者 西ア佐知の俳句 風は秋の俳句 登り来て息ととのふる風は秋。露涼しの俳句 露涼しうずくまりたる野の仏。