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8月20日 開催
   花灯籠いくつ吊りても灯しても 池末あけみ
   思ひ出はよきことばかり盆の月

    鴟尾天に生絹を刷ける秋の雲 
西村舟津
     稲の花匂ひ畷のめくるめく

      消灯の病窓占める星月夜 
松山寿美
  手術後の目覚めすっきり今朝の秋

    連つぎつぎ続きて阿波の総踊 
門田窓城
      本堂の閉す半蔀に法師蝉

    吐息して秋暑の空を仰ぎけり 
宇都宮美智子
     貸ボート裏返されて夏の果

      大西日通天閣を昏れ残し 林 雄次郎
     裏参道詣で下りに西日かな

      一呼吸遅れて音の遠花火 
布野 壽
      黙祷の九段に届け敗戦忌

    洗ひたるすぐの硯に墨摺りぬ 
野田ゆたか
      み仏の朱唇鮮やか地蔵盆
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・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・
 
  登り来て息ととのふる風は秋
  露涼しうずくまりたる野の仏
舟津の句
鴟尾 しび/とびのお = 古代建築の瓦葺の宮殿・仏殿
などの屋根の両端につけた飾り。
現建築では鯱、鬼瓦などとなる。

生絹 すずし/きぎぬ/きぎす = 生絹の糸、衣、織物
などの略。
畷 なわて/たみち = 田のあいだの道。畦道。長く続
くまっすぐな道。

窓城の句
蔀 しとみ = 句では半分開いた蔀戸。
神社、仏閣など寝殿造りに用いられている、
格子組の板などで、光や風雨をさえぎるもの。
蔀戸
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2005年(平成17年)8月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。花灯篭の俳句 花灯籠いくつ吊りても灯しても 池末あけみの俳句。盆の月の俳句 思ひ出はよきことばかり盆の月。秋の雲の俳句 鴟尾天に生絹を刷ける秋の雲 西村舟津の俳句。稲の花の俳句 稲の花匂ひ畷のめくるめく。星月夜の俳句 消灯の病窓占める星月夜 松山寿美の俳句。今朝の秋の俳句 手術後の目覚めすっきり今朝の秋。阿波踊りの俳句 連つぎつぎ続きて阿波の総踊 門田窓城の俳句。法師蝉の俳句 本堂の閉す半蔀に法師蝉。秋暑の俳句 吐息して秋暑の空を仰ぎけり 宇都宮美智子の俳句。ボートの俳句 貸ボート裏返されて夏の果。大西日の俳句 大西日通天閣を昏れ残し 林雄次郎の俳句。西日の俳句 裏参道詣で下りに西日かな。花火の俳句 一呼吸遅れて音の遠花火 布野壽の俳句。敗戦忌の俳句 黙祷の九段に届け敗戦忌。硯洗うの俳句 洗ひたるすぐの硯に墨摺りぬ 野田ゆたかの俳句。地蔵盆の俳句 み仏の朱唇鮮やか地蔵盆。選者 西ア佐知の俳句 風は秋の俳句 登り来て息ととのふる風は秋。露涼しの俳句 露涼しうずくまりたる野の仏。