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		      水嵩の浅きが涼し高瀬川 西村舟津
  
		      梁太く八十畳の土間涼し
  
		  
		
  
		    誘はれて千里も一里黒鯛釣に 布野 壽
  
		      上棟の影を拾ひて三尺寝
  
		  
		
  
		      兄弟の議論に母の団扇風 門田窓城
  
		      梅雨明の輝きに舟見失ふ
  
		  
		
  
		       山水を引きて厨の冷奴 宇都宮美智子
  
		     赤い月揚げてや梅雨の中休
  
		  
		
  
		      噴水を中折させる雨滂沱 松山寿美
  
		    梅雨湿りハーブ芳香指に染め
  
		
  
		   艫なべて昼をまどろむ烏賊の船 林  
		雄次郎
  
		      水鉢のめだか健在空青し
  
		
  
		    真清水に使ひ回しぬ紙コップ 野田ゆたか
  
		   墓前へと郷の清水を汲みにけり
  
		 
  
		 
  
		 
  
		・・・・・ 選者 西  
		ア 佐 知 詠 ・・・・・ 
  
		
  
		   元祖てふ誇りを今に麻暖簾
  
		  再びは来れぬ山なりケルン積む
  
		
  
		 
  
		  
		  
  
		
	 
	
		舟津の句
 
		高瀬川=たかせがわ。高瀬川の名を持つ川に、長野県北西部に槍ヶ岳の北側に発源とする
 
		    長さ50q以上ものと、京都市内に鴨川から取水し、淀川に通ずる。長さ10数
 
		    qの運河がある。京都の高瀬川は、高瀬舟を運行したところから名づけられたと
 
		    言う。作者の水嵩が浅いと言うことから、この句では京都の高瀬川を指す。
 
		
 
		壽の句
 
		黒鯛=和歌山県・関西では「ちぬ」と呼ぶ。 黒鯛釣←ちぬつり
 
		
 
		美智子の句
 
		厨=くりや。台所のこと。古典俳句では、厨人(くりやびと)を略して「厨」一文字で調理
 
		    人を表すことがある。
 
		
 
		寿美の句
 
		滂沱=ぼうだ。雨のはげしく降るさま。また、涙のとめどなく流れ出るさまに用いられる。
 
		
 
		佐知の句
 
		ケルン=cairn。石を積み上げて塚としたもの。また、山頂や登降路を示す積石。登頂記念
 
		    に積まれた石もケルンと言える。
 
		千人塚=せんにんづか。戦地・災害地・刑場などの跡に多数の横死者を葬った塚。
	
	
	
		涼しの俳句 水嵩の浅きが涼し高瀬川 西村舟津の俳句。涼しの俳句 梁太く八十畳の土間涼し。黒鯛の俳句 誘はれて千里も一里黒鯛釣に 布野壽の俳句。梅雨明けの俳句 上棟の影を拾ひて三尺寝。団扇の俳句 兄弟の議論に母の団扇風 門田窓城の俳句。梅雨明けの俳句 梅雨明の輝きに舟見失ふ。冷奴の俳句 山水を引きて厨の冷奴 宇都宮美智子の俳句。梅雨の俳句 赤い月揚げてや梅雨の中休。噴水の俳句 噴水を中折させる雨滂沱 松山寿美の俳句。梅雨の俳句 梅雨湿りハーブ芳香指に染め。烏賊の俳句 艫なべて昼をまどろむ烏賊の船 林雄次郎の俳句。目高の俳句 水鉢のめだか健在空青し。清水の俳句 真清水に使ひ回しぬ紙コップ 野田ゆたかの俳句。の俳句 墓前へと郷の清水を汲みにけり。選者 西ア佐知の俳句 麻暖簾の俳句 元祖てふ誇りを今に麻暖簾。ケルンの俳句 再びは来れぬ山なりケルン積む。2005年(平成17年)7月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。