２月１９日　開催

　　　　　残る雪垂る千基の鳥居かな　西村舟津
　　　　　初午や峰に蝋涙落とす作務

　　　　　　一艘も通はぬ舟路冴返る　池末あけみ
　　　見上げれば雲見下ろせば霞む街

　　　　　春雪をまとふ鳳凰堂の綺羅　松山寿美
　　　　枝垂梅風はそよりと香は仄と

　　　　　春光を丸く返してゐる池塘　布野　壽
　　　　遣水に春の音色の生まれけり

　　　　岬の湯の春あけぼのの波の音　寺本光堂
　　　寒あけて風に尖りのなかりけり

　　　　拂はんとせし闇に消え春の雪　門田窓城
　　　添ひて来し春めく風と園に入る

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　　　　　雨毎に色褪せゆける焼野かな　野田ゆたか
　　　麦踏に慣れのリズムのあるらしく

 

 

 

昌一の句
翳る＝かげる。日や月の光が何かにさえぎられて
　　暗くなる。現代国語←陰る
氷瀑＝ひょうばく。凍り付いて瀑布。凍り付いた滝。

舟津の句
垂る＝しずる／しづる。この句では鳥居から雪が
　　落ちること。
蝋涙＝ろうるい。蝋燭から溶けて流れ落ちる蝋を
　　涙に見立てていう語

明美の句
舟路＝ふなじ。小舟の通路
　　※船路(ふなじ)←大型船の通路。舟と船とで
　　景が異なる。

寿美の句
綺羅＝きら。きらきらと光を反射させるものの意。
　　俳句では、蝶の羽、鱗粉、浮垢、水や湯などの
　　きらきらと光っているものに用いられる。この
　　句では、積雪が日に光っている様子を表す。

寿の句
池塘＝ちとう。池の堤。
遣水＝やりみず。寝殿造りで、外からひき入れて庭
　　園に作った流れ。

光堂の句
岬の湯＝みさきのゆ／さきのゆ／はなのゆ。岬に出
　　　ている温泉の意。
　　　　この句では、「さきのゆ」又は「はなのゆ」
　　　と４音で読む。

雄次郎の句
鰰＝はたはた。魚の呼び名。秋田・山形で多く漁獲
　されている。

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寒明けの俳句　すぐ翳るとも寒明の日射かな。稲福昌一の俳句。氷の俳句　氷瀑の風は真白に光りをり。残雪の俳句　残る雪垂る千基の鳥居かな　西村舟津の俳句。初午の俳句　初午や峰に蝋涙落とす作務。冴返るの俳句　一艘も通はぬ舟路冴返る　池末あけみの俳句。霞の俳句　見上げれば雲見下ろせば霞む街。春雪の俳句　春雪をまとふ鳳凰堂の綺羅　松山寿美の俳句。梅の香の俳句　枝垂梅風はそよりと香は仄と。春の日の俳句　春光を丸く返してゐる池塘　布野壽の俳句。春の俳句　遣水に春の音色の生まれけり。春暁の俳句　岬の湯の春あけぼのの波の音　寺本光堂の俳句。寒明けの俳句　寒あけて風に尖りのなかりけり。春雪の俳句　拂はんとせし闇に消え春の雪　門田窓城の俳句。春めくの俳句　添ひて来し春めく風と園に入る。春時雨の俳句　奈良町の軒深くして春時雨　宇都宮美智子の俳句。椿の俳句　山祠つらつら椿咲くのべに。鰰の俳句　連なりて鰰風に乾きをり　林雄次郎の俳句。冬の波の俳句　寒涛や沖の黒雲不気味なる。焼野の俳句　雨毎に色褪せゆける焼野かな　野田ゆたかの俳句。麦踏みの俳句　麦踏に慣れのリズムのあるらしく。選者　西�ｱ佐知の俳句　耕しの俳句　耕やひねもす鳶の輪を出でず。紀元節の俳句　奏楽裡勅使に淑気紀元節。２００５年(平成１７年)２月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。