1月15日 開催
寒泳の先達翁の赤禅 稲福昌一
山始草鞋の紐を固く締め
老どちの島は半農漁始 布野 壽
何につけ孫に行き着くお正月
初春の空を統べたる天守閣 西村舟津
喰積の箸迷ひたる目出たさよ
銃眼は語らず古城凍て厳し 松山寿美
朝の雪大和の景を丸くして
潮風に顔そむけたる野水仙 林
雄次郎
めでたさや注連に雀の来る気配
島をおく波尖らせて月冴ゆる 門田窓城
寒月や古都守る塔の灯点さず
譲られし座席の温み初電車 寺本光堂
初詣御遷座すみし金毘羅宮
初戎裏戸も打って詣でけり 宇都宮美智子
神木も枯木となりて弧高なる
腕相撲孫に譲られお正月 野田ゆたか
咲き満たすしあはせ色の福寿草
・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・
師の恩のつながりに生き去年今年
仰ぎ見る万葉の山年あらた
昌一の句
先達=せんだち/せんだつ。先導者、案内者、先輩の意。
赤禅=あかふどし/あかふんどし。「あかふどし」と5音で読む。
現代国語表記←赤褌
草鞋=わらず/わらんず/わらじ。関西では「わらじ」と読む。
舟津の句
統べたる=すべたる。まとめた。支配した。管轄した。
この句では「支配した」の意。
喰積=くいつみ。正月用の重詰。現代国語←食積
寿美の句
大和=やまと。大和の国。現在の奈良県天理市あたり一帯。
光堂の句
遷座=せんざ。神仏の座を他所に移すこと。また、移ること。
寒中水泳の俳句 寒泳の先達翁の赤禅 稲福昌一の俳句。山始めの俳句 山始草鞋の紐を固く締め。漁始めの俳句 老どちの島は半農漁始 布野壽の俳句。正月の俳句 何につけ孫に行き着くお正月。初春の俳句 初春の空を統べたる天守閣 西村舟津の俳句。食積の俳句 喰積の箸迷ひたる目出たさよ。凍つの俳句 銃眼は語らず古城凍て厳し 松山寿美の俳句。雪の俳句 朝の雪大和の景を丸くして。野水仙の俳句 潮風に顔そむけたる野水仙 林雄次郎の俳句。めでたさの俳句 めでたさや注連に雀の来る気配。月冴ゆるの俳句 島をおく波尖らせて月冴ゆる 門田窓城の俳句。寒月の俳句 寒月や古都守る塔の灯点さず。初電車の俳句 譲られし座席の温み初電車 寺本光堂の俳句。初詣の俳句 初詣御遷座すみし金毘羅宮。十日戎の俳句 初戎裏戸も打って詣でけり 宇都宮美智子の俳句。枯木の俳句 神木も枯木となりて弧高なる。正月の俳句 腕相撲孫に譲られお正月 野田ゆたかの俳句。福寿草の俳句 咲き満たすしあはせ色の福壽草。選者 西ア佐知の俳句 去年今年の俳句 師の恩のつながりに生き去年今年。年新たの俳句 仰ぎ見る万葉の山年あらた。2005年(平成17年)1月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。