2月21日 開催
打ち返す波立ち上り春浅し 宇都宮美智子
石積の石屋のほとり名草の芽
軽々と土を擡げて蕗の薹 布野 壽
傘開ける程もなく止み春の雨
そつと開く術後の瞳春ともし 松山寿美
茶柱の立ちて退院春隣
梅薫る野に再会を果たしけり 池末あけみ
どこよりも速き流れや水温む
煌きを乱す供養の曲り針 門田窓城
せせらぎの高鳴る今朝の雪解かな
上段の間に紅白の大盆梅 西ア佐知
いつせいに木々の芽吹きの古墳かな
白魚の網きらきらと月に揚ぐ 寺本光堂
照明はランプ明りの雪の宿
水かげろう庇に浮見堂うらら 西村舟津
一枚の肌着となりて耕せり
治まりしつわりにうから梅二月 林 雄次郎
白魚の日を返したる四ツ手網
紅梅の咲きて受彰の吾は卒寿 水野惠以
別れ告げ風花の径急ぎけり
鹿駈けて飛火野の春引き寄せり 稲福昌一
文字出でし難波遺跡の二月かな
監視の目きびしく猫の恋ならず 野田ゆたか
ごみ出しの母の足もと草青む
・・・・・ 選者 山
口 正 秋 詠 ・・・・・
凍解けの音して滝の落ちてをり
水仙の岬突出て海碧し
春浅しの俳句 打ち返す波立ち上り春浅し 宇都宮美智子。草の芽の俳句 石積の石屋のほとり名草の芽。蕗の薹の俳句 軽々と土を擡げて蕗の薹 布野壽。春雨の俳句 傘開ける程もなく止み春の雨。春灯の俳句 そっと開く術後の瞳春ともし 松山寿美。春隣の俳句 茶柱の立ちて退院春隣。梅香るの俳句 梅薫る野に再会を果たしけり 池末あけみ。水温むの俳句 どこよりも速き流れや水温む。針供養の俳句 煌きを乱す供養の曲り針 門田窓城。雪解の俳句 せせらぎの高鳴る今朝の雪解かな。盆梅の俳句 上段の間に紅白の大盆梅 西ア佐知。芽吹くの俳句 いっせいに木々の芽吹きの古墳かな。白魚の俳句 白魚の網きらきらと月に揚ぐ 寺本光堂。雪の俳句 照明はランプ明りの雪の宿。水陽炎の俳句 水かげろう庇に浮見堂うらら。寺本舟津の俳句 耕の俳句 一枚の肌着となりて耕せり。梅二月の俳句 治まりしつわりにうから梅二月 林雄次郎。白魚の俳句 白魚の日を返したる四ツ手網。紅梅の俳句 紅梅の咲いて表彰吾は卒寿 水野惠以。風花の俳句 別れ告げ風花の径急ぎけり。春の俳句 鹿駈けて飛火野の春引き寄せり 稲福昌一。二月の俳句 文字出でし難波遺跡の二月かな。春の猫の俳句 監視の目きびしく猫の恋ならず 野田ゆたか。草青むの俳句 ごみ出しの母の足もと草青む。水仙の俳句 水仙の岬突出て海碧し。凍解の俳句 凍解けの音して滝の落ちてをり 山口正秋。2004年(平成16年)2月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。