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     一粒を十とし古希の年の豆 長嶺 勇
   誰彼となく告げたうて初音かな
     水温む鯉ゆるやかに返す泥
 
     春色に日々新たなり散歩道 木村宏一
       靴先に薄氷破る音走る
土を分けやわらかき芽のチューリップ
 
     春の雪夕べの庭の明るさに 湯澤正枝
    春の雪あしたの予定危ぶまれ
      送り行く道は笹薮春の雪
 
      立春の吾に眩しき陽の光 駒田暉風
       節分の旦に託す夢幾つ
     鴛鴦の二つの彩が水に映え
 
     梅園の由緒立ち読む鳩の杖 酒井牧人
    烏鷺陣の考深めけり日脚伸ぶ
 
    たちまちに変わる風紋寒夕焼 石崎そうびん
      人声を真似て高啼く寒鴉
      一列に進む保線夫霜の朝
 
    一風に押されてほのと梅香る 有馬やよこ
   二の丸の茶の湯にかをる梅の花
      届きたる母の温もり蕨餅
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     呼ぶやうに山耀きぬ春告鳥 有馬たく
    呼ぶやうに山耀ける初音かな
     囀のとけゐる湖の蒼さかな
 
     横綱の一人去りたる二月哉 橋本幹夫
     薄氷や浮かぶ金閣煌めきぬ
      片栗の花紫の揺るぎなし
 
     はうれん草茹でて女の力瘤 橋本典子
    ハイヒール春一番の音立てて
     産声のひとつ建国記念の日
 
       低空に窮屈さうに寒鴉 金城博之
 スウイッチを入れたるごとく梅の園
     四温来て猫の瞼も一の字に
 
      辰鼓楼冬の城下に時刻む 池下よし子
   みどり児の髪黒ぐろと犬ふぐり
     受験生怒涛のごとし駅溢る
 
    梅林の香を浴びたくて車椅子 小島外恵
    尖り出て土に影さす名草の芽
   春の雲のつたり浮かぶ晴間かな
 
     春時雨夢中に遊ぶ五羽六羽 山口美琴
 蕗の薹目覚めはまだかと問ひに行く
     猫柳銀ねずコート気品良き
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      源流は槍ヶ岳なり雪消川 足立山渓
    雪の日の膝まで埋もる郵便夫
 
    雲浮かび風に押されて空は春 志村万香
    春光の雲ひとすじに流れをり 
 
      梅が香の仄と河内の一宮 野田ゆたか
      計画の日程余寒に心して
     混浴と言ふは足湯よ春の風
宏一撮影/瀬戸大橋
      (岩黒橋)
宏一撮影/ものの芽
   (チューリップ)
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暉風撮影/鴛鴦
 (愛知県設楽町)
選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
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これら写真は、出句函のものを複写しました。
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平成22年2月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。年の豆の俳句 一粒を十とし古希の年の豆 長嶺 勇。初音の俳句 誰彼となく告げたうて初音かな 長嶺 勇。水温むの俳句 水温む鯉ゆるやかに返す泥 長嶺 勇。春色の俳句 春色に日々新たなり散歩道 木村宏一。薄氷の俳句 靴先に薄氷破る音走る 木村宏一。チューリップの俳句 土を分けやわらかき芽のチューリップ 木村宏一。春の雪の俳句 春の雪夕べの庭の明るさに 湯澤正枝。春の雪の俳句 春の雪あしたの予定危ぶまれ 湯澤正枝。春の雪の俳句 送り行く道は笹薮春の 湯澤正枝雪。立春の俳句 立春の吾に眩しき陽の光 駒田暉風。節分の俳句 節分の旦に託す夢幾つ 駒田暉風。鴛鴦の俳句 鴛鴦の二つの彩が水に映え 駒田暉風。梅園の俳句 梅園の由緒立ち読む鳩の杖 酒井牧人。日脚伸ぶの俳句 烏鷺陣の考深めけり日脚伸ぶ 酒井牧人。寒夕焼けの俳句 たちまちに変わる風紋寒夕焼 石崎そうびん。寒鴉の俳句 人声を真似て高啼く寒鴉 石崎そうびん。霜の朝の俳句 一列に進む保線夫霜の朝 石崎そうびん。梅香るの俳句 一風に押されてほのと梅香る 有馬やよこ。梅の花の俳句 二の丸の茶の湯にかをる梅の花 有馬やよこ。わらび餅の俳句 届きたる母の温もり蕨餅 有馬やよこ。春告鳥の俳句 呼ぶやうに山耀きぬ春告鳥 有馬たく。初音の俳句 呼ぶやうに山耀ける初音かな 有馬たく。囀りの俳句 囀のとけゐる湖の蒼さかな 有馬たく。2月の俳句 横綱の一人去りたる二月哉 橋本幹夫。薄氷の俳句 薄氷や浮かぶ金閣煌めきぬ 橋本幹夫。片栗の花の俳句 片栗の花紫の揺るぎなし 橋本幹夫。菠薐草の俳句 はうれん草茹でて女の力瘤 橋本典子。春一番の俳句 ハイヒール春一番の音立てて 橋本典子。建国記念の日の俳句 産声のひとつ建国記念の日 橋本典子。寒鴉の俳句 低空に窮屈さうに寒鴉 金城博之。梅園の俳句 スウイッチを入れたるごとく梅の園 金城博之。四温の俳句 四温来て猫の瞼も一の字に 金城博之。冬の俳句 辰鼓楼の俳句 辰鼓楼冬の城下に時刻む 池下よし子。犬ふぐりの俳句 みどり児の髪黒ぐろと犬ふぐり 池下よし子 。受験生の俳句 受験生怒涛のごとし駅溢る 池下よし子 。梅林の俳句 梅林の香を浴びたくて車椅子 小島外恵。草の芽の俳句 尖り出て土に影さす名草の芽 小島外恵。春の雲の俳句 春の雲のつたり浮かぶ晴間かな 小島外恵。春しぐれの俳句 春時雨夢中に遊ぶ五羽六羽 山口美琴。蕗のとうの俳句 蕗の薹目覚めはまだかと問ひに行く 山口美琴。猫柳の俳句 猫柳銀ねずコート気品良き 山口美琴。雪解の俳句 源流は槍ヶ岳なり雪消川 足立山渓。雪の日の俳句 雪の日の膝まで埋もる郵便夫 足立山渓。春の空の俳句 雲浮かび風に押されて空は春 志村万香 。春光の俳句 春光の雲ひとすじに流れをり 志村万香。梅が香の俳句 梅が香の仄と河内の一宮 野田ゆたか。余寒の俳句 計画の日程余寒に心して 野田ゆたか。春の風の俳句 混浴と言ふは足湯よ春の風 野田ゆたか。Hp管理人 野田ゆたか。