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       残照の東の山に望の月 長嶺 勇
       閑けしや山の大池鰯雲
        白菊の大輪の芯薄緑
 
   咲いて見せ零れて魅せる萩の庭 木村宏一
    夕暮れて芒の影絵揺らげけり
 
    枕灯のこぼれ窓辺にすがれ虫 湯澤正枝
   ほそめんをさらさら洗ひ秋の水
      神棚へ冨士の型に今年米
 
      里人も貴人も同じ秋の月 駒田暉風
    あれこれと指折り数え冬支度
     里山の樹々翳よりの秋の暮
 
    画伯翁に叙勲沙汰あり秋麗ら 酒井牧人
      金婚の船路明るき星月夜
 
    オカリナの響く根尾谷夜の秋 石崎そうびん
     山よりの新しき風赤とんぼ
     窯攻めの空白々と草ひばり
 
   尾花活く手折りて風の風情かな 有馬やよこ
   せせらぎの夕日捕へし尾花かな
   尾花折り風の風情を活けてみる
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   帰燕いま一風となり発ちゆけり 有馬たく
      鳥渡る空一枚を使ひきり
    島々に白く水尾曳く今朝の秋
 
       角伐の円らな瞳から泪 橋本幹夫
    ピカソ展出れば上野に秋の声
     晩秋の音聞きながら万歩計
 
       風格の秋明菊や貴船谷 橋本典子
   耳元に林檎剥けしと義母を呼ぶ
    箱詰めの並ぶ林檎の香ばしき
 
     流れ来て淀みに集ふ谷紅葉 北井古石
 
   つるつるの青空があり野分あと 金城博之
    煩悩の尽きることなし十三夜
      色鳥の翔て曇天青むかな
 
       蒼空の光まとひし冬桜 志村小雪
   冬の宵ピアノソナタを奏でをり
 
   野分過ぐ富士にみやげの白帽子 戸田宙心
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     立砂を依代として重九かな 野田ゆたか
   ゆく秋の声なき声を聞く夜かな
      残心を抱きて湖の秋惜む
宏一撮影/萩
宏一撮影/芒
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選句は、作者別に絶対評価を行い各3句以内を抽出して
入会日順に掲示をしています。
出句者間の相対評価は行っていません。
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平成21年10月 インターネット清月俳句会作品集 主宰 野田ゆたか。望月の俳句 残照の東の山に望の月 長嶺 勇。鰯雲の俳句 閑けしや山の大池鰯雲。白菊の俳句 白菊の大輪の芯薄緑。萩の俳句 咲いて見せ零れて魅せる萩の庭 木村宏一。芒の俳句 夕暮れて芒の影絵揺らげけり 木村宏一 。すがれ虫の俳句 枕灯のこぼれ窓辺にすがれ虫 湯澤正枝。秋の俳句 ほそめんをさらさら洗ひ秋の水 湯澤正枝 。今年米の俳句 神棚へ冨士の型に今年米 湯澤正枝 。秋の月の俳句 里人も貴人も同じ秋の月 駒田暉風。冬支度の俳句 あれこれと指折り数え冬支度 駒田暉風 。秋の暮の俳句 里山の樹々翳よりの秋の暮 駒田暉風。秋うららの俳句 画伯翁に叙勲沙汰あり秋麗ら 酒井牧人。星月夜の俳句 金婚の船路明るき星月夜 酒井牧人。夜の秋の俳句 オカリナの響く根尾谷夜の秋 石崎そうびん。赤蜻蛉の俳句 山よりの新しき風赤とんぼ 石崎僧びん。草雲雀の俳句 窯攻めの空白々と草ひばり 石崎僧びん。尾花の俳句 尾花活く手折りて風の風情かな 有馬やよこ。尾花の俳句 せせらぎの夕日捕へし尾花かな 有馬やよこ。尾花の俳句 尾花折り風の風情を活けてみる 有馬やよこ。帰燕の俳句 帰燕いま一風となり発ちゆけり 有馬たく。鳥渡るの俳句 鳥渡る空一枚を使ひきり 有馬たく。今朝の秋の俳句 島々に白く水尾曳く今朝の秋 有馬たく。角切の俳句 角伐の円らな瞳から泪 橋本幹夫。秋の声の俳句 ピカソ展出れば上野に秋の声 橋本幹夫 。晩秋の俳句 晩秋の音聞きながら万歩計 橋本幹夫 。秋明菊の俳句 風格の秋明菊や貴船谷 橋本典子。りんごの俳句 耳元に林檎剥けしと義母を呼ぶ 橋本典子。林檎の俳句 箱詰めの並ぶ林檎の香ばしき 橋本典子。谷紅葉の俳句 流れ来て淀みに集ふ谷紅葉 北井古石。野分の俳句 つるつるの青空があり野分あと 金城博之。十三夜の俳句 煩悩の尽きることなし十三夜 金城博之。色鳥の俳句 色鳥の翔て(かけて)曇天青むかな 金城博之。冬桜の俳句 蒼空の光まとひし冬桜 志村小雪。冬の宵の俳句 冬の宵ピアノソナタを奏でをり 志村小雪。野分の俳句 野分過ぐ富士にみやげの白帽子 戸田宙心。重九の俳句 立砂を依代として重九かな 野田ゆたか。行秋の俳句 ゆく秋の声なき声を聞く夜かな。秋惜しむの俳句 残心を抱きて湖の秋惜む。Hp管理人 野田ゆたか。