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湯沢正枝の第三句集「桑の道」の第5頁。虹の俳句 虹太し米寿祝に死のことを。九月の俳句 野の道を行けば九月の風に合ふ。鰯雲の俳句 鰯ぐも義父の残せし縞袴。きりぎりすの俳句 蛬父の記憶のこれと無く。行秋の俳句 行秋や形見となりし皮草履。石榴の俳句 実石榴や碁盤におけば転げ落つ。