６月１５日　開催

　　　　　　漣の走る植田の瑞々しい　西村舟津
　　　　短夜の二度寝の夢のまた愚か

　　　　旅信書く坊の窓打つ走り梅雨　田中茂治
　　　鳥居背に茅の輪づくりの俄祢宜

　　　瀬飛沫の暮れゆき河鹿鳴き募る　長嶺　勇
　　　　駅舎なき駅に降り立つ新樹冷

　　　降る雨に色のうつろひゆく四葩　林 雄次郎
　　　　　汚れなき色咲きのぼる立葵

　　　　　梅雨入雲衣笠山に立ち籠る　田村昌平
　　　　代掻きを終へし峡田に雲映る

　　　　　　京洛の鰻上りといふ暑さ　野田ゆたか
　　　　　　仏めく林泉の捨石苔の花

暑さの俳句　京洛の鰻上りといふ暑さ　野田ゆたか。四葩の俳句　降る雨に色のうつろひゆく四葩　林 雄次郎。鹿の子の俳句　鹿苑といふ安住に仔鹿生る　松山寿美。岩魚の俳句　手際よくをどり串打ち岩魚焼く　村上唯志。河鹿の俳句　瀬飛沫の暮れゆき河鹿鳴き募る　長嶺　勇。梅雨入の俳句　梅雨入雲衣笠山に立ち籠る　田村昌平。走り梅雨の俳句　旅信書く坊の窓打つ走り梅雨　田中茂治。植田の俳句　漣の走る植田の瑞々しい　西村舟津。２０１７年(平成２９年)６月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。