10月20日 開催
蓑虫の風の高さに遊びをり 稲福昌一
闇迫る杜に妻恋ひ鹿鳴けり
風絶えし宮址にすだく昼の虫 西村舟津
日もすがら揺れて円山柳散る
万葉園たつた三坪の稲刈らる 松山寿美
野菊晴大仏日和といふべかり
雑魚受けの笊を仕掛けて落し水 田中茂治
破芭蕉葉づれ騒がし座禅堂
山の辺の道は恋みち草の花 長嶺 勇
だし抜けに威銃鳴る峡のみち
芒野はしろがねに日は峯に落つ 林 雄次郎
寺壁の影移りゆく秋日和
潮騒の絶えざる岬鷹渡る 野田ゆたか
男山神寂ぶ紅葉且つ散れり
・・・・・ 選者 岬 忠 詠 ・・・・・
乱れ萩枝垂れて終の花こぼす
露の世に衒ひなく生き卒寿かな
蓑虫の俳句 蓑虫の風の高さに遊びをり 稲福昌一。鹿の俳句 闇迫る杜に妻恋ひ鹿鳴けり 稲福昌一。昼の虫の俳句 風絶えし宮址にすだく昼の虫 西村舟津。柳散るの俳句 日もすがら揺れて円山柳散る 西村舟津。稲刈りの俳句 万葉園たつた三坪の稲刈らる 松山寿美。野菊の俳句 野菊晴大仏日和といふべかり 松山寿美。落し水の俳句 雑魚受けの笊を仕掛けて落し水 田中茂治。破芭蕉の俳句 破芭蕉葉づれ騒がし座禅堂 田中茂治。草の花の俳句 山の辺の道は恋みち草の花 長嶺 勇。威銃の俳句 だし抜けに威銃鳴る峡のみち 長嶺 勇。芒野の俳句 芒野はしろがねに日は峯に落つ 林 雄次郎。秋日和の俳句 寺壁の影移りゆく秋日和 林 雄次郎。鷹渡るの俳句 潮騒の絶えざる岬鷹渡る 野田ゆたか。紅葉且つ散るの俳句 男山神寂ぶ紅葉且つ散れり 野田ゆたか。乱れ萩の俳句 乱れ萩枝垂れて終の花こぼす 村上唯志。露の世の俳句 露の世に衒ひなく生き卒寿かな 村上唯志。2016年(平成28年)10月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。