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12月16日 開催
     賜りし一書寒夜を豊かにす 松山寿美
    折れ曲る枯蓮水を折り曲げる
     風音が風追ひかけて朴落葉

    水浴びて苔むす不動尊凍てず 門田窓城
      日表の風裏にして浮寝鳥
    会話にもならぬ相槌日向ぼこ
 
    下校児の冬田斜めに走り来る 稲福昌一
      凩や絆むなしき瓦礫拒否
      切干の笊太陽に預けをり
 
    鳰浮きて冬日をはじく池の面 西村舟津
     風格の禁裏の松に映ゆ紅葉
     授戒会の五色の幡や堂小春
 
   おづおづと冬日さしくる苔の庭 林 雄次郎
    日を返し虻を引寄せ花八ツ手
     冬の朝合せ鏡のくもりかな
 
    桜炭つぎ足し嵯峨野老舗守る 水野惠以
    知床の五湖は女の名雪しまく
      日向ぼこ何考へる思惟佛
 
  よく吠えて犬に数へ日あるやうな 野田ゆたか
     年逝くや三百六十五夜の酒
  清きものいつしか褪せて蓮枯るる
 
   選者のご都合により、
  後日選をいただきました。
 
 
寒の夜の俳句 賜りし一書寒夜を豊かにす 松山寿美。枯蓮の俳句 折れ曲る枯蓮水を折り曲げる 松山寿美。朴落葉の俳句 風音が風追ひかけて朴落葉 松山寿美。不動尊の俳句 凍ての俳句 水浴びて苔むす不動尊凍てず 門田窓城。浮寝鳥の俳句 日表の風裏にして浮寝鳥 門田窓城。日向ぼこの俳句 会話にもならぬ相槌日向ぼこ 門田窓城。冬田の俳句 下校児の冬田斜めに走り来る 稲福昌一。木枯の俳句 凩や絆むなしき瓦礫拒否 稲福昌一。切干の俳句 切干の笊太陽に預けをり 稲福昌一。鳰の俳句 鳰浮きて冬日をはじく池の面 西村舟津。紅葉の俳句 風格の禁裏の松に映ゆ紅葉 西村舟津。小春の俳句 授戒会の五色の幡や堂小春 西村舟津。冬日の俳句 おづおづと冬日さしくる苔の庭 林雄次郎。八手の花の俳句 日を返し虻を引寄せ花八ツ手 林雄次郎。冬の朝の俳句 冬の朝合せ鏡のくもりかな 林雄次郎。桜炭の俳句 桜炭つぎ足し嵯峨野老舗守る 水野惠以。雪しまきの俳句 知床の五湖は女の名雪しまく 水野惠以。日向ぼこの俳句 日向ぼこ何考へる思惟佛 水野惠以。数え日の俳句 よく吠えて犬に数へ日あるやうな 野田ゆたか。年逝くの俳句 年逝くや三百六十五夜の酒 野田ゆたか。蓮枯るの俳句 清きものいつしか褪せて蓮枯るる 野田ゆたか。2011年(平成23年)12月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。